High Fidelity(2000年/アメリカ)

 僕にとってこの映画はレコードで言う「ジャケ買い」だった。だから何の予備知識もないまま観た。主人公は中古レコード屋のオーナーで その店には音楽オタクの従業員が2人いて 事あるごとに「テープを作った」と言い自慢の選曲をやり取りし‥‥と それだけで既に僕にとっては「いい映画」なんだけど そこに男女のくっ付いたり離れたりが絡んで‥‥

highfidelity.jpg

 哀れで無様で我儘でみっともなくて切なくて見苦しくて思い込みが激しく時々猜疑心に駆られて人間不信になったり時に短絡的に行動して反省したりしなかったり時に現実的で建設的な将来を模索したりもすれば呆気なく有頂天になったり急激に自己嫌悪に陥ったり自分が何者なのかわからなくて悩んでみたり‥‥と どこにでもあって誰にでも当てはまる普通の物語。他人にとっては取るに足らない事でも当人にとっては超巨大荒波で けどそんな人生の波間には常に音楽があって‥‥みたいな。もしかしたら10人中9人は「好きじゃない」とか「まぁまぁだな」と答えるかも知れない作品だけど 僕はスゲェ好きだな。いい映画だった。

コメント