ジュンイチローっ!

 昨日の選挙で「自民党」は冷や汗をかく結果となり、今日の会見では首相の顔に勢いはなかった。アベ・シンゾー氏などは半泣きの表情で総理をチラチラ見上げている。僕は政治には詳しくもないし、特に感心があるわけでもないのだが、コイズミさんは歴代の総理の中ではカクエイさんと同じくらい気になる存在だ。『彼の使う言葉は意味がわかる』それが最大の理由だ。政治家という職業の人々は優れた国語能力を駆使して“自分が何を言おうとしているかをいかに悟られないようにするか”という課題に日夜取り組んでいる。そういう意味でコイズミさんとカクエイさんは異色なのだ。意味不明の言葉を使って煙に巻くくらいなら、ハッキリした態度でとぼけたり、怒って見せたりしてくれた方が個人としての評価を下しやすい。
 僕が道楽でやっている「問答」というサイトの質問に、“政治家のつくウソとメディアのつくウソ 罪深いのはどっち?”という質問がある。これには「“メディアのウソ”の方が罪深い」と応える人が断然多い。我々の心の中には「政治家の言葉にウソがあるのは当然。だから、せめてメディアくらいはホントの事を伝えてくれなきゃ困る」という生活の知恵が無意識のうちに根付いてしまっている。

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 話は変わるが…2年ほど前、確定申告のために訪れた税務署でこんな事があった。僕が担当者を前に申告書とニラメッコをしていると、隣の席に30代とおぼしき女性が座った。彼女も確定申告のために担当者と話を始めたのだが、明らかに挙動不審…。意味不明の言葉を大声で連発している。政治家の個人資産が発表されたばかりの時期だったため、それについて毒づいていたかと思うと唐突に「ジュンイチローっ!」「コーイズミー・ジュンイチローっ!」と叫び「私がこんなに税金を払わなきゃならないなんておかしい」というような事を熱弁している。隣にいる僕はいつ彼女から「なぁ、アンタもそう思うだろ?」と言われるのではないかと内心ヒヤヒヤしながらの確定申告であった。いまだにコイズミさんを見ると彼女の事が頭をよぎり、ちょっとドキドキする。

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