In No Great Hurry: 13 Lessons In Life With Saul Leiter 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと(2012年/イギリス・アメリカ)

4ヶ月前に観た「Finding Vivian Maier」は衝撃的な面白さでしたが、今回観た作品も少し地味なタッチではありますが実に興味深い内容でした。どちらも「写真家」をテーマに作られたドキュメンタリー映画です。



邦題は「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」。ヴィヴィアン・マイヤーは亡くなった後に偶然脚光を浴びた、謎に満ちたアマチュア女性写真家でしたが、ソール・ライターはニューヨークを拠点にファッション誌などの仕事を続けた後、1980年代に入って突如第一線から距離を置くようになり、2006年にドイツで出版された写真集をキッカケに、晩年にわかに注目されるようになった写真家です。


マイヤーさんのドキュメンタリーと違い、このライターさんの映画にはご本人が出ずっぱりで、インタヴューに答えながらも写真をパチパチ撮ってらっしゃいますが、特に彼が1950年代に撮ったカラー写真は、鮮やかな色合いといい、ユニークな構図といい、被写体の選び方といい、とても魅力的です。面白い事にそれらはほとんど縦写真なんですね。映画の中で写真を撮るライターさんも、決まってカメラを縦に構えてらっしゃいます。僕も縦ばかりで撮っていた時期がありましたが、最近はナゼか横に落ち着いてしまいました。縦で切り取られた世界にはやっぱり独特の魅力があります。ちなみに、残念ながらソール・ライターさんは、この作品が公開された2年後にお亡くなりになったようです。
 

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