毎週せっせとイラスト描いてたあの頃

　度重なるハードディスクのクラッシュによって、当時のデータがほぼ壊滅状態なので、果たしてそれが15年ぐらい前だったのか、もっと前なのか後だったのか、正確な記録も残っていなけりゃ記憶もあてにならないのですが、ともかく以前、学生援護会という会社がまだバリバリの現役だった頃「an」という求人雑誌の、中部版の表紙にイラストを描く仕事をしていた事があります。

　誌面のリニューアルにあたり「何かいい表紙のアイディアない？」と聞かれて「頭に金のシャチホコをかぶった男の子を登場させる‥‥ってのはどーっすか？」とテキトーに提案しましたら、運よくそれが採用されちゃいまして、イラストレイターでもない僕が絵を担当する事になってしまいました。読者からの公募で「シャチ朗くん」という名前も付けていただき、週替わりで組まれる特集記事に合わせて被り物を変えたり、シチュエイションを変えたりしながら、たぶん２〜３年ぐらいの間、デザインの仕事そっちのけでイラストばかり描いておりました。最初は手描きのイラストをスキャンして Photoshop で着色する方法をとっていましたが、しばらくして誌面がマイナー・チェンジする事になり、それを機に手描きをやめて Dimension で 3D イラストを作るようになりました。

　残念ながら当時の元データは残っていませんが、3D で作るようになった後のイラストに関しては、幸い雑誌から切り取った表紙がファイリングしてあるので、それを見れば「あ〜 当時の僕はこんなもんを作ってたんだなぁ」と、チョッピリおセンチな気持ちになる事はできます。しっかし当時の自分、ものすごくちゃんと仕事してます。今の僕なら間違いなく手を抜くであろう部分までキッチリ作り込んでいます。OS X に移行する前の当時の Mac は、いとも簡単にフリーズしたし、なんたって 3D ですからレンダリングに何時間もかかったり、ワイヤーフレームとプレビューを切り替えるだけでも相当待たされたはずです。そんなストレスフルな環境だったにも関わらず、毎週こんな事を続けていたんだなぁ‥‥いやぁ〜若いって素晴らしい。