RUBBER(2010年/フランス)

 DISCASのオススメ欄で見つけて何となくフラフラ〜っと予約リストに放り込んだ作品だった。だって「タイヤが人を殺す」って設定が面白いじゃないか。監督はフランス人で製作もフランスだけど 舞台はアメリカの中西部。登場人物は全員アメリカ人。

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 冒頭の10分で僕の過度な期待は消え去った。「なんでそうなるの? に対する理由なんてないのさ。この映画にも理由なんかない」って 登場人物に宣言させちゃった段階で「あーあ」だった。何だこの「弱気」ともとれる発言は。そーゆー事はさ 作品を観たあとで観客自身が自力で辿り着くべき答えであって そこへ見事に誘うのが監督の仕事であり 腕の見せ所じゃないのかい?

 冒頭で「私はあなたを煙に巻くつもりですよ」と宣言した割には 想像を超えるようなサムシングは1つも起こらぬまま タイヤの犯行は淡々と進み 意味ありげでなさげなエンディングを迎えた。そんなこんなも含め 全体的に大学の映画研究部っぽさがプンプン漂っていたが 面白く無くはなかった。

 この映画で得た教訓があるとすれば 古くなったタイヤの処理はちゃんとしなきゃダメ って事かな。お世話になった物にきちんと感謝の意を伝え 懇ろに供養してやらないと大変な事が起こるかもよ。日本人には「針」とか「人形」を供養する風習があるけど タイヤも忘れないでね。

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