CLOVERFIELD(2008年/アメリカ)

 映画とかドラマは通常 主観と客観が織り交ざりながらストーリーが展開するものだけど この作品は「1台の家庭用ビデオカメラが捉えた映像」だけで構成されている。つまり「その時そのカメラを手にした人の主観だけで綴られた物語」という事だ。この表現手法は 何年かまえ話題になった「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と おそらく同じだと思うんだけど 僕はホラーが苦手なのでブレア・ウィッチの方は観ていない。

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 確かにコンセプトは面白い んだけど う〜ん いかんせん詰めが甘かった。リアリティーを追求すべきか エンターテインメントを優先すべきか の間で軸足がブレまくっている ように僕には見えた。そうなってしまうのも理解はできる。できるんだけど 臆病なシェフが砂糖をちょっぴり忍ばせたワサビなど 僕は口にしたくないのだ。「客の舌を信用できない料理人は 客に料理を出すべきではない」と僕は思う。あ いかんいかん ついワサビを効かせすぎてしまいました(笑)

 でもね 我々は昨年の「3.11」で にわかに信じられない(信じたくない)ようなリアルを 連日リアルタイムで散々目にしてしまったんですよ。僕らはもう中途半端なリアリティーでは驚けないし 驚きたくもないんです。

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