難民

　日本はブログ大国なんだそうです。日本語を解する人が世界中にどのくらいいるか知りませんが、全世界のブログに占める「日本語で書かれたブログ」の割合は驚くほど多いんだとか。そしてその内容も他国とは少し異なるようで「個人ジャーナル」や「評論」的な内容が多い外国のブログに比べ、日本ではいわゆる「日記」が大半を占めている‥‥なんて記事を読んだ事もあります。その真偽についてはとりあえず置いとくとして、ブログが日本人の暮らしにすっかり定着・浸透した事は確かでしょう。これをお読みになっているあなたもご自分のブログをお持ちなんじゃない？

　もし突然、あなたの使っているブログ・サービスが「来週から20字を超える記事が投稿できなくなります」と言い出したらどうします？ 仕方ないから「20字日記」に挑戦する？ それとも他のブログ・サービスに引っ越す？ ま「20字制限」は大袈裟だとしても、実はあるブログ・サービスで似たような事が起こりました。アップロードできるデータのサイズが40MBから１MBに減らされる事になったんです。普通にテキストブログを書いているユーザーなら１MBもあれば充分なので全然問題ないんですが、それがポッドキャストを売りにしていたブログ・サービスだったからもう大騒ぎです。

　特に多くのリスナーを抱える人気ポッドキャスターにとっては頭の痛い問題でしょう。他所のサーバーにデータをアップして今までと同じ場所で配信を続けるか、完全に引っ越すか‥‥でも引っ越すとなれば、膨大な量のデータを移動しなきゃならないし、リスナーにポッドキャスト登録をし直してもらわなければならないし、それまで積み重ねてきた実績（ダウンロード数や人気ランキングなど）を手放す覚悟が必要となる場合もあるでしょう。

　おそらく多くの難民が生まれるでしょう。幸い僕はそのブログ・サービスを使ってないので、当面は何の変化もないですが、決して「対岸の火事」ではありません。難民たちが流れ着いた先では「新たな負荷」が生まれるでしょうし、ネガティヴな見方をすれば「ドミノ倒し」が起こる可能性だって大いにあります。僕はどちらかと言うとポッドキャストに対してクールなスタンスをとっているつもりですが、昨今各方面から漏れ伝わってくる「冷え込み情報」を耳にするにつれ、やはりある種の寂しさを感じています。ただ‥‥「祭り」が終わった後に広がる「新たな地平」「次なるステージ」こそが僕の居場所なんだと、そんな気もしています。