BABEL

BABEL.jpg

 このDVDが届いて2週間。やっと観たよ。最近僕は辛口批評をしてしまう癖がついたんだろうか。それとも出会う作品とのソリが合ってないだけなのか。いや、先入観とのギャップを楽しむ事ができなくなっているだけなのかな?

 と、書くとまるでBABELがつまらない作品だと思われてしまいそうだが、決してそんな事はなかった。充分おもしろかった。観客をアッチへコッチへと飛ばし、時間と空間のパズルを組み上げさせる。そういう意味でのおもしろさはあった。

 物語はモロッコ、アメリカ、メキシコ、日本を舞台に、行ったり来たり進んだり戻ったりするのだが、日本以外のシーンはすべてアクシデントに対応すべく右往左往している人々が描かれているに過ぎない。それにひきかえ菊地凛子が演じたチエコは異質かつ圧倒的な存在だった。身も蓋もない意見かも知れないが、彼女だけで1本撮った方が良かったのでは? とさえ感じた。少なくとも僕は彼女をもっと見ていたかったし、彼女の事をもっと知りたい。

 しかしブラッド・ピット老けたなぁ‥‥ま、僕と同じ昭和38年生まれだからオッサンっぽくなるのも無理ないけどさ。この歳ならもっと脂ぎった所があってもいいはずなのに、妙に枯れた皮膚感が印象的だった。




コメント

  1. ��.11の悲劇から今なお侵略中のアメリカ、罪のない多くの子供や民間人がアメリカ軍の襲撃や爆撃で被害にあっている事実と自国兵士の戦死ニュースの日々。
    国産映画は中身のないコメデック物が目白押し、その中で9.11テロ事件を思い起させる『BABEL』は連鎖的な世界のグローバル化を表していたと思う。残念ながら今のNYCの若者達には興味の薄れた観客動員数だった。
    『BABEL』はストーリ性に欠ける(風が吹けば桶屋が儲かる)に似た仮想物だけに、人間模様ある日本編をメインに仕立てたのでしょう。うんうん、菊地凛子さんが飛び抜けて輝いていた素晴らしい演技でした。

    返信削除
  2. そうなんですか・・・・そう言う上級な仕掛けは失敗すると単なる”カス”ですからね。
    ブラピは脂ぎってるオサーンと言われるのが嫌でおしぼりで顔を拭きまくって居たのでは?
    全く関係ないけれどプチ・ブルースって笑えますね。

    返信削除
  3. 【明さんへ】
    客観的に観れば、この映画の中でブラッド・ピットが置かれた状況と、テロや911とはまるで次元が違うはずなんですが、今のアメリカ人にはそれらが重なって見えるんですかねぇ‥‥
    映画製作者側もそれを意識してBABELを作ったとすれば、この作品の持つ意味は全く違ったものになりますね。
    【へるまんさんへ】
    シワがですねぇ‥‥凄いんです。遠目には青年なんだけど、アップでみると初老なんです(笑)そのギャップにちょっとビックリするワケです。

    返信削除

コメントを投稿