悪魔のようなあいつ

 というわけで、どういうわけ? えーっと「DISCAS」に加入したので、借りたDVDやCDの感想を書いて行こうかな。と。で、第1弾はコレだっ!

「悪魔のようなあいつ」

 1975年に放送されたテレビドラマ。主演はジュリー。原作は阿久 悠。演出は久世光彦。脚本は長谷川和彦。と、このラインナップだけでもご飯3杯は行けそうです。おまけに「3億円事件」が題材と来れば、おかわり決定だ。そのうえ、このドラマは放送以来1度も再放送された事がなく、2001年にDVDが発売されるまでソフト化もされなかった「いわく因縁のある作品」だ。

 もともと3億円事件の時効成立に合わせて放送されたようで、番組の最後に「時効成立まであと○日」と出る。いや~それにしても出演者全員のキャラが濃い濃い。「時間ですよ」「寺内寛太郎一家」「ムー」など、久世光彦が手掛けたドラマを観た事のある人なら大方の察しがつくだろう。

 この作品を観てて気になったのはね、美し過ぎるの。映像が。ロケ・シーンがない上にビデオで撮られているんだけど、例えば、荒唐無稽感いっぱいの「傷だらけの天使」がどうしてあんなに肌にまとわりつく生々しさを漂わせているかと言うと、ロケとフィルムによって生まれた「映像の質感」によるところが大きい気がするんだよね。でもこの「悪魔のようなあいつ」の登場人物は濃いのに全然まとわりついてこないんだよね。ま、それが久世作品の魅力なのかも知れないけど、この題材にはもっと生暖かくて、湿度の高い映像が合う気がするんだよね。

 でもまぁ、スポンサーの顔色ばかり気にしてる最近の「毒にも薬にもならない」薄味のドラマなんかよりは数段面白いよ。やっぱりね、これ無理だわ。再放送。クレームが寄せられそうな部分が随所に見られるもん。興味をお持ちになった方は是非DVDでご覧あれ。ジュリーが半端じゃなくカッコいいよ! っていうか美しい! 最近のアイドルとか美形で売ってる人達とは次元が違うよ。

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