玉手箱み~っけ

 最近地下鉄に乗る事がめっきり少なくなったので、たまに乗ると斬新な「中吊り広告」にギョッとする事がある。そして「あ~ 僕は浦島太郎になってるなぁ」と、軽く落ち込んだりする。

 街を歩いていてもクルマに乗っていても電車に乗っていても、これはデザイナーという商売柄でもあるんだけど、反射的に広告物をチェックしてしまう。たまに自分がデザインしたポスターや中吊り広告を見かけると、ちょっと恥ずかしくもあり誇らしくもあり、人の反応が気になったりとソワソワしてしまうんだけど、他人の作品には容赦なくツッコミを入れつつ楽しませてもらっている。

 最近はバスや地下鉄のボディー全面を使った「ラッピング広告」が一般化してるし、車内の広告を1社が独占している光景も多く見かけるようになった。吊るしのポスターと壁のポスターをシリーズ展開して「ネタふり」と「オチ」を別々にしてみたり、ポスターに穴をあけてみたり、床にロゴを入れてみたりと様々なアイディアを盛り込んで、移動中の退屈な時間に色を添えてくれている。

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 そして今回見つけたのがコレ。商品そのものをポスターに貼り付けちゃったんだね。もちろん貼り付けてあるのはパッケージだけなんだけど、これはインパクトもあるし直感的でわかりやすいね。キレイな写真やコピーを並べてアピールするより現物を見せる方が手っ取り早いもんね。見る人に商品のデザインや大きさをダイレクトに刷り込む事で、お店でこの商品を見かけた時に「あ、コレってアレだ」って思い出してもらえるもんな。

 そのうち車内の「天井、壁面、床など、すべてを使ったラッピング広告」なんてのも現れるんだろうな。地下鉄の車内がベンツの車内になってたりしたら重役出勤してる気分にならない? タヒチの海になってたら、ネクタイ外して今すぐタヒチに行きたくなったりしない?

 ‥‥あ、でももしかして「車内ラッピング」なんて既に誰かがやってたりする? そんなの今や常識だったりする? すいません。僕、浦島なもんで‥‥

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