これ全部同一人物だって言ったら信じる? 誰だって年齢とともに太ったり痩せたりするもので、僕なんかも若い頃の自分の写真を見ると「痩せてるなぁ」って思うし、2年ほど前には若い頃より13kgも重くなって「こりゃかなりヤバいぞ」と危機感を持ったけど、今ではピーク時から7~8kg減となり「ま、とりあえずこれで良しとするか」などと思っている。でもこの人の「痩せたり太ったり」の繰り返しはスリリング過ぎた。アルバム・ジャケットには使われてないけどホントはもっと巨大になってた時期もある。そして次に見た時には激痩せ状態。次は太ってて、次はまた痩せ。「ヤバ過ぎるよ。死んじゃうんじゃない?」というファンの心配が的中してしまったのか、それとは無関係の理由なのかはわからないけど、7月1日ルーサー・ヴァンドロスが亡くなった。(享年54歳)
この人を失った事はホントに残念だ。だって代替えの効かないシンガーだから。この人が音楽界、とりわけシンガー達に与えた影響は絶大で、多くのフォロワーを生んだけど、誰もルーサーの声は持ってなかったし、ルーサーみたいには歌えなかった。楽曲の完成度という点で言えば、アタリハズレがハッキリしてて「どのアルバムもお薦め」とは言い難いが、どんな時も彼のヴォーカルはとてもディープで情感が溢れ出している。そして僕がとりわけ好きなのはバック・コーラスにまわった時の彼だ。ルーサーがコーラスを担当したアルバムは数が多過ぎて僕も完全に把握できていないけど、彼がハモるとサウンドが一気にニューヨークになってしまうんだなぁ‥‥。きっとその秘密は声や歌い方だけじゃなく彼が施したコーラス・アレンジに依るところが大きいのではないかと想像する。
Never Too Much/Forever,.../Busy Body
もしもルーサー・ヴァンドロスに興味を持って、入門用のアルバムをお探しの方がいらしたら、僕はこれをお薦めする。初期の3枚がセットになったメチャクチャお得なアルバムだ。若かりし頃のマーカス・ミラーのベースもルーサーのヴォーカルと絶妙のマッチングだし、当時の甘美でゴージャスでスリリングなニューヨークの空気を見事に閉じ込めた作品達だ。
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