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「阪神淡路大震災」から今日でちょうど10年。1995年はとても印象深い年だった。まず大地震が起き、地下鉄サリン事件があり、僕が転職した年であり、結婚した年でもある。

 その時僕は失業中&同棲中だった。1月17日未明。今まで経験した事のないほど不気味な振動で目が覚めた。まるで巨大なモグラがこっちに向かってガンガン穴を掘って来ているようなその振動は次第に大きくなり、突然床の真下から地上に飛び出して来たかのような突き上げがあった。実際体が何センチか飛び上がったんじゃないかと思うほどの衝撃だった。僕は自分でも信じられないほどの素早さで隣りに置いてあった洋服ダンスを手で押さえた。とっさにできる事と言ったらそれくらいしかなかった。そこまでの記憶は鮮明に残っている。大きな突き上げの次に大きな横揺れがしばらく続いたような気がするが、その後どの程度の揺れがどのくらい続いたのかについてはあまり覚えていない。その後数日間に渡って余震があったような気もする。
 僕はその時「あ、ついに“東海大地震”が来たのだ」と確信した。さっそくテレビをつけて「地震速報」を確認すると、震源地は関西。名古屋でこんなに揺れたのだから震源地はどうなっちゃったんだろう? しだいに辺りが明るくなるにつけ惨状が明らかになってきた。メディアは何機ものヘリコプターを飛ばし、リアル・タイムで現場の状況を流し続ける。いたるところから火の手が上がっている。消防活動が行なわれている様子はない。高速道路は倒れ、ビルがポキッと倒れたりクシャっと潰れたりしている。中でも神戸の被害が飛び抜けて大きかった。僕も何度か行った事のあるあの素敵な街がとんでもない事になってしまった。

 あれから10年。つい最近も国内外で地震による大きな被害が連発している。自然の尺度で見れば、とりたてて異常なことが起きているわけではないのかもしれないが、その時その場にいる人間にとっては「異常事態」以外のなにものでもない。宇宙の営みの中で、人はあまりに無力だけど、生き残った者が瓦礫の中から何かを見つけ出し、次の世代へと手渡すことならできる。

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