バッタルファルファ

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 週に1度の帰省の途中、赤信号で止まったジムニー君のフロント・ガラスに1匹のバッタが! 生まれて初めてこの角度からバッタを見た僕は、顔を近づけシゲシゲと観察。「キレイだなぁ」太ももなんか芸術的とも言えるほどのフォルムだ。時折、前脚を上手に使って口の辺りをお掃除している。実のところ、口かどうかもお掃除しているのかどうかもわからないが、僕にはそう見えた。「とってもキャワユイ」

 しばらく観察していると、信号が青に変わったので走り出した。走り出せばどこかへピョーンと飛んでいくものと思っていたが、必死になってしがみついている。強い風を受けて触角はあらぬ方向へとひん曲がり、体もグラングラン揺れまくっている。前方の道路状況を把握しつつも、ついついバッタが気になり、目はバッタへとフォーカスしてしまう。もう彼の物凄い頑張りに釘付けだ。呼吸が荒くなっているのだろうか、鮮やかな緑色のお腹が大きく膨らんだり萎んだりを繰り返している。ナゼだか急に、胸が詰まるような、泣いてしまいそうな‥‥そんな感情に包まれた。

 僕とバッタ君のランデブーは10kmほど続き、実家に到着。これ以上バッタ君の頑張りを見るのは忍びないので、家の近所の木に移動していただく事にした。車を降り、フロント・ガラスのバッタ君を捕まえようとしたら、よっぽどジムニー君が気に入ったのか、物凄い力でガラスにしがみついている。一瞬「あれ? バッタの手って吸盤付いてたっけ?」と思うほどガッシリくっついている。なんとか引き離し木にとまらせる事に成功。

 あのキャワイ子ちゃん、今頃どうしてるかな?

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 そして‥‥悲しいお知らせがあります。大事に育ててきたアルファルファが、逝ってしまわれました。1週間ほど前までは極めて順調に成長を続けていたのですが、最近みるみる元気がなくなり、遂にはこんなお姿に‥‥。慎んでお悔やみを申し上げます。サラダのてっぺんに誇らしげに乗っかったアルファルファの写真を掲載するのを楽しみにしていたのに、まことに残念な結果と相成りました。どうか成仏してください。そしてどうかフレディーをお許しください。一同起立。2秒間の黙祷‥‥‥‥‥‥‥‥ありがとうございました。ご着席ください。

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