大地、風、そして炎

 今日の夕方は物凄い雨だった。そのころ僕はクルマで移動中だったのだが、道が所々池のようになっていた。水深は深いところで40cm近くあったから、普通乗用車は床上浸水の状態で走行していたに違いない。この時ばかりは床の高いオフロード車に乗っていてよかったと思った。ジムニー君さまさまだ。

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 さて、僕がその時どこに向かっていたかと言うと‥‥名古屋レインボーホール。そう、今日は待ちに待った「Earth Wind & Fire」のコンサートの日だったのだ。コンサートはリーダーのモーリス・ホワイトの病気の問題もあって1時間半ほどの短いものだったが、僕としては納得のいく内容だった。曲目も70年代中盤から80年代前半のアースが最も充実していた時期の物ばかりで、何の小細工もなし。とてもオーガニックなアース・サウンドを堪能することができた。アースといえば人の度肝を抜くような派手なライブ・アクトが有名だが、今回はギミックはいっさいなし。お客さんへの誠実さと音楽への真摯な態度がストレートに伝わってくるコンサートだった。

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 モーリスの具合はとてもいいように見えた。しかし彼はコンサート中盤ステージから姿を消し、後半再び登場した時には声が出なくなっていた。僕は8列目という至近距離で観ていたので、彼の苦しそうな表情や、他のメンバー達の心配そうな顔までつぶさに見て取ることができた。会場からは「モーリスーっ!」「ありがとうねーっ!」という声がたくさんあがった。そして僕が最も愛し、尊敬し、影響を受けたバンド「Earth Wind & Fire」のコンサートは一度のアンコールの後、幕を下ろした。今年の10月には新しいアルバムが発表される事になっているが、モーリス・ホワイトの元気な歌声を聴く事はもうないだろう。そしてステージ上のモーリスを生で観るのもこれが最後になるだろう。だが彼がクリエイトした音楽は色褪せることなくいつまでも輝き続ける。

P.S. コンサートの途中で地震があった。とても緩い揺れが長ーく続く気味の悪い地震だった。お客さんも一瞬ハッとしてゆらゆら揺れてる照明器具を心配そうに見上げていたが、ミュージシャン達はさすがプロだ。動じることなく何事もなかったかのように笑顔で演奏を続けていた。まっ、彼らは地震に気づいていなかった可能性もあるんだけどね(笑)あっ! 今また地震がっ‥‥大きな被害が出なければいいが‥‥

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