にやにや と しろしろ

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 うちのベランダ猫“しろしろ”は普段は部屋に入ろうとしないのだが、最近はふと気付くと何食わぬ顔で部屋の隅っこで寝ていたりする事がある。ところがナント今日はもっと大胆な場所で思いっきりリラックス・ムード…。我が家は夏になると部屋のすべての窓や扉を開けっ放しにしておく事が多いから、その気になればいつでも部屋への出入りは自由なのだ。もともと“しろしろ”も“にやにや”も10年以上前の夏に我が家に出入りするようになった。最初に部屋の中に猫を発見したときにはビックリしたが、彼女達が部屋の中をキョロキョロと探検しているさまを静かに見守っていたら、僕のことを敵ではないと認識してくれたらしく、僕と彼女達との距離は少しずつ縮まっていった。“しろしろ”は外を好む性格だったため部屋にいりびたることはなかったが“にやにや”とは同居人のような関係になってしまった。当時の僕はサラリーマンだったので朝は“にやにや”がマンションの前で見送ってくれたし、夜は僕がマンションから30mほどの距離まで近づくと「おかえりー 待ってたよー」と鳴く声が聞こえてくるという毎日だった。

 “しろしろ”はとってもユニークな存在で、たまに「何か食べさせてー」と現れたかと思うと、何ヶ月も姿を見せない時期もある。彼女は“にやにや”と違い誰に対してもフレンドリーなので、姿を見せない時期はよそのマンションの住人のお世話になっていて、その住人が引っ越すとまた別のダンナさんを見つけてその部屋に出入りするようになる。“しろしろ”は僕が知っているだけでも二人のダンナさんを渡り歩いている。一人は一人暮らしのおじいちゃん。もう一人はこれまた一人暮らしの大学生らしきおにいちゃん。

そして現在のダンナさんはどうやら僕らしい。

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