レコード棚の座敷童

 随分前の事になるが、東京の739ちゃんから「古めの踊れる曲」があったら教えてほしいと言われ「お安い御用さ。カッコいい曲をバッチリ選曲してCDに焼いて送ってあげるよ」と安請け合いをしてしまったのだが、今日になるまでズルズルと重い腰を引きずり続けて来てしまった。今日やっと何十枚かのレコードを棚から取り出し選曲作業を開始した。20代の頃はせっせとオリジナルのカセットテープを作ったものだが、ここ数年はそういう作業から遠ざかっていた。

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 僕は基本的にこういう作業が好きで、もともとミニFM局をやり出したのも「自分の好きな曲をみんなに聴いてほしい」という動機からだった。しかしあれだね、CDに慣れてしまったせいかレコードを棚から出し、袋から出し、幾度もひっくり返しながらの作業は面倒だね。でも、レコードならではのメリットだってあるのよ。溝を見ればダンス・ナンバーなのかバラードなのかはたいてい目星が付くし、曲が一番盛り上がってる部分もだいたいわかるから、その辺に針を落とせば録音レベルの設定だって楽々。そのうえレコード特有のスクラッチ・ノイズはあるものの盤のコンディションさえ良ければ音質はCDよりもいい。
 選曲作業をしていると「あれ? あのレコードどこいったっけ? ないぞーっ!」なんて事がしょっちゅうある。そういう時はたいてい人に貸したままになっていたり、もともと持っていないレコードを持っていると勘違いしているだけだったりするわけだが、そうでない場合、実はそのレコードは棚のどこかでジッと息を潜めながら缶を蹴るタイミングをはかっているのだ。

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