生首

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 街でこんな光景を目にした。「この女性達はよっぽど重い罪を犯したんだろうな」としばし合掌した。これ実は美容院の外に置いてあったんだけど、どういうつもりで置いたんだろう…?。あきらかに外を通る人達へのメッセージが込められているような佇まい(たたずまい)なのだが、僕はこの安物のスプラッター・ムービーのような「生首美容院」で髪を切ってもらう気には到底なれない…。
 僕の実家は美容院をやってるからこの手のダミー・ヘッドは子供の頃から見慣れている。小学校の頃など友達がうちに遊びに来ると、生首を見つけては「気味が悪い〜怖い〜」と騒ぐのだが、こんなものは怖くも何ともない。それよりホントに怖いのはウイッグ(カツラ)だ。洗った後、乾かすために閉店後の暗い店内にぶら下げてあるこれは不意に視界に入ってくるといつも「ドキッ」とした。これは具体的な物に対する恐怖ではなく、得体のしれない物に出会った時の「ドキッ」だ。

 あっ!そうそう、先日DJロマネスクと一緒に地下鉄に乗っていた時の事を書こう。僕とロマは並んで座っていた。しばらくするとお年寄りの女性が乗ってきて我々の前に立った。すかさずロマは「どうぞ座ってください」と優しく声をかけ、その女性に席を譲った。ロマはカインドネス溢れるなかなかのジェントルマンだ。彼女は礼を言い席につこうとした。するとその隣に座っていた若い女性が席を詰めて老女とロマの二人が座れるスペースを作ってくれたので二人とも席につくことができた。 実はこの出来事が起きている最中、僕は眠っていた。降りる駅が近づいて僕が目を覚ますと、やけに皆がギチギチに詰めて座っているので違和感を覚えたのだが、地下鉄を降りてからロマが説明してくれてすべてのいきさつを知ることができた。彼からこの一件を日記に書くように頼まれていた事をすっかり忘れていた。ロマちゃん遅くなってすまなかった。やっと書いたよ。

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