今回の旅行中に撮った千枚以上の写真から数枚をチョイスしてダイジェストで。まずは如何にも高原って雰囲気の三峰山。ビーナスロード沿いの最寄りの駐車場から山頂までは、比較的緩やかな斜面のトレイルコース片道3km。
なだらかな緑の斜面には所々に花が咲き、蝶が舞い、トンボの大群が飛びまくっていた。山頂からは圧巻の360°パノラマビュー。もし山に詳しければ「あれが何岳で、あっちが何山で‥‥」なんて楽しみ方ができるんだろうが、残念ながら僕は無知。けど、そんな僕でも感動を覚える光景が広がっていた。
僕は今回、普通の靴を履いて行ったが、とりあえずこのコースはそれでも充分だった。けど、大きめの石がゴロゴロしている箇所もあるので、足首をしっかりガードしてくれるトレッキング・シューズの方が安全だと思う。
それより何より、今回大正解だったのが先日買ったモンベルのパンツだった。念のため短パンも持っていたが、膝ほどの高さの藪の中を歩く機会が何度もあったので、結局長ズボンしか履かなかった。しかも朝露に濡れた藪を歩けば当然裾が濡れるんだけど、撥水が効いているおかげで染みてこないし、濡れてもすぐに乾いてくれる。皮肉なことに僕がこのパンツの威力を最も実感したのは、五平餅のタレを太股にこぼしてしまった時だったが(苦笑)
車中泊はすこぶる快適だった。美ヶ原も霧ヶ峰も標高が1,900m以上あるから当然暑くない。さすがに深夜から早朝にかけては冷え込むが、それでも車内の温度は17℃ほどだったから、シュラフを展開して掛け布団にすると調度よい感じだった。で、これが2日目の朝に美ヶ原から拝んだご来光と雲海。説明不要の美しさだ。
2泊目は場所を移動して八島湿原の近くで車中泊。最終日の朝は「どうか富士山が見られますように」と願いつつ、途中何度も鹿たちの群れに遭遇しながら夜明け前の真っ暗な道を運転して霧ヶ峰に移動。圧倒的に感動的な満天の星空。流れ星2つ3つ。
まだ暗い中、誰もいない丘への小径を、頭に着けたランプだけを頼りに歩く。「もしいま熊が出たらアウトだな」とドキドキしながら夜明けを待つ。至近距離から獣の低い唸り声が聞こえる。何度も繰り返し聞こえる。脈拍上昇。キョロキョロしながら辺りを照らす。何も見えない。しばらくしてそれが自分の腹の音だと気づく。
てなことがありつつ1時間ほどが経ち、運よく日頃の僕の行ないに目をつむってくれた天使が舞い降りてくれたおかげで、念願の富士山を写真に収めることができた。地図で確認してみると、霧ヶ峰から富士山頂までは直線距離で96kmほど。普通なら途中の山々が邪魔をしそうなものだが、運よく山々の隙間を縫うように富士山に向けて視界がズドーンと抜けている。
この奇跡的な地形に感謝だ。欲を言えば、もしこれが真夏でなければ空気中の水分に邪魔されず、もっとクリアに見えるのかもしれないけれど、それはまた次の機会にとっておこう。
コメント
コメントを投稿