僕はずっと彼女を探し続けています。

ちょっと意外に思われるかも知れませんが、今回僕は生まれて初めて写真集を買いました。しかも2冊いっぺんに。2冊で18,217円という価格は、自分にとっては少し思い切りを必要とする金額でしたが、届いた本を観てみたら価格のことなど吹き飛びました。

今回購入したのはモノクロームの写真集「Vivian Maier: Street Photography」と、カラー写真だけをセレクトした「Vivian Maier: The Color Work」の2冊です。どちらかというとモノクロのイメージが強い彼女の写真ですが、実はカラーも驚くほど素晴らしいんです。

撮影者のヴィヴィアン・マイヤーという女性については、5年前に書いた映画レヴュー「Finding Vivian Maier(ヴィヴィアン・マイヤーを探して)」で紹介したことがありますが、実はあの映画を観てからというもの、彼女のことが頭から離れず、もちろん彼女の写真に底知れぬ魅力を感じているという前提があってのことですが、その尋常ならざる極端さと謎に包まれた彼女の人生に想いを馳せ、彼女はどんな気持ちでシャッターを切っていたのか? 彼女は撮りたくて撮っていたのか、それとも撮らずにいられなかったのか? 彼女は撮ることで何かを得て、何かを諦めたのか? そして彼女は本当に自分の写真を誰かに見せたい、評価されたいと思わなかったのだろうか? ‥‥などの疑問が沸々と湧いてくるんです。そしてそれは必ず「ところでお前はどうなんだい?」という自問へと繫がるのです。

【訂正】初めての写真集と書きましたが、10年くらい前にギトさん(タカギトオル氏)の写真集を2冊買ってたことを忘れてました。いやはやお恥ずかしい(苦笑)

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