1917 命をかけた伝令(2019年/イギリス・アメリカ)

「1917」を Amazon プライムビデオで観ました。今年公開されたばかりの作品で「全編ワンカット」が話題になった映画でもあります。公開直前に YouTube にアップされていたメイキング映像を腐るほど見まくったので、この映画がどれほどアクロバティックな撮り方で作られた作品なのかは熟知していました。厳密に言うと「全編ワンカット」というのは嘘で、実際にはいくつかのパートに分けて撮影されているので、最初のうちは「あ、ココで繋いでる」なんて思いながら観てたんですが、途中からそんな事はどうでもよくなりました。

「1917」は第1次世界大戦を舞台に、ドイツと戦闘中のイギリス兵を描いています。第1次世界大戦といえばスタンリー・キューブリックの「突撃」でも描かれたように「塹壕」を掘っての戦闘が印象的で、「突撃」にも「このシーンどうやって撮ったんだろう?」と思う場面がありましたが、この「1917」でも、疲弊しきった何百もの兵士が右往左往する狭い塹壕の中を進む主人公をとにかくカメラが追い続け、時にはカメラが前に回って主人公がそれを追いかけます。

邦題「1917 命をかけた伝令」でもわかるように、この映画はある重要なメッセージを託された兵士が命がけで敵陣突破する姿を描いています。第1次世界大戦当時、無線通信はまだ実用化されておらず、離れた場所にいる相手にメッセージを伝えるには電信(有線)を使うか、直接会って伝えるかしかありませんでした。以前見た海外のドキュメンタリー番組で僕が1番驚いたのが、当時のタンク(戦車)には兵士と共に何羽かの伝書鳩が乗せられていたという事実でした。

この作品は、そんなこんなの予備知識を持った上で観た方が何倍も楽しめるかも知れません。

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