突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年/日本)

 僕の子供の頃の大ニュース と言えば「3億円事件」「アポロ11号 月面着陸」「大阪万博」そしてこの映画の題材になっている「あさま山荘事件」あたりが代表格だろう。「3億円」は5歳の時だから たぶんリアルタイムの記憶はないに等しい。「月面着陸」も 夜中に親に叩き起こされてテレビで生中継を観た‥‥ような気もするんだけど なにしろ6歳の時だから もしかしたら後になって捏造された記憶かもしれない。しかし「万博」と「あさま山荘」は 明らかに記憶に残っている。「大阪万博」は小学1年 「あさま山荘事件」は小学2年の時だった。

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 映画の中でも語られていたが 事件発生から機動隊突入までの10日間 日本の犯罪件数と交通事故件数がガクッと減ったらしい。いかに日本国中がテレビに釘付けになっていたか という事だ。最近ではテレビ番組のコメンテイターなどとして見かける事が多いが 当時現場で指揮にあたった佐々淳行さんの著書を下敷きに この映画は作られている。

 人質の身代わりになるため現場に入り込んでしまった民間人が撃たれて死亡。他にも身代わりを希望する人が続出し 中には決意の固さを証明するため 切断した自らの指を持参する者までいた‥‥などなど 観ていて「えーっ そんな事が起きていたのか」と驚かされる事が多かった。支給された弁当はカチカチに凍って食べる事ができず 当時発売になったばかりのカップヌードルを食べる機動隊員の様子。長野県警と警視庁の縄張り争い。日本版 FBI を模索しつつも 結局は旧態依然のシガラミに足を取られながら悪戦苦闘する主人公の姿。配役も素晴らしかったし 実に面白い作品だった。

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