ポスター天国(サントリーコレクション展)で実物と対面

 「実物からしか得られない情報」というものがある。ふつう美術館に展示される「実物」は 絵画の場合であれば「原画」を指すが ポスターは絵画と違い「複製」を前提としている。だからポスターにおける「実物」は「印刷物」なんだね。

 話は逸れるけど このブログも 僕が配信しているポッドキャストも 実は複製を前提としている。それぞれのコンテンツには その元となったオリジナルデータが存在するけど あなたが今見ている画面には オリジナルではなくその複製物が表示されているし パソコンやiPodから流れる音声も複製物だ。文字や画像や音声のデータが手元の機器にコピーされ それを見たり聴いたりしているに過ぎない。

R0011948.jpg

 ではポスターにおける「実物からしか得られない情報」とは何か というと‥‥1番大きな要素はその「大きさ」である。ポスターにとって「大きさ」はとても重要な要素で 近くで見た時と離れて見た時の見え方や感じ方の違いや その存在感を体感するには 実物を目の前にするのが最も手っ取り早い っていうより「それ以上の方法はない」と言っても過言ではないから。

 今回のポスター展では 19世紀末から20世紀末までの約100年分の歴史を一気に見渡す事ができる。ポスターはまさに印刷技術の進化を記録した資料であると共に その時代の世相・風俗・デザイン的なトレンドを映す鏡でもある。僕にとって今回の経験はとても貴重なものだったし 本やテレビなどでは決して得られない非常に大きな収穫だった。

コメント