ど根性物語 銭の踊り(1964年/日本)

 僕はどうも勝新が苦手だ。きっと子供の頃に映画館の大画面で観た「座頭市」のせいだと思うんだけど やたらギトギトと汗ばんでいて 白目まで剥いてる粗野で下品なオッサンというイメージが強い。

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 それにしてもスゲぇ題名だ。英語で「THE MONEY DANCE」と言われるとそうでもないけど「銭の踊り」って ねぇ(笑)クールでスタイリッシュでシニカルでどこかコミカル‥‥といういつもの市川 崑テイストは影を潜め 勝 新太郎の脂っこいキャラにゴッソリ持って行かれちゃったような‥‥(ま それもきっと計算の内だったのだろうけど)そんな作品だった。テーマとしては黒澤 明の「悪い奴ほどよく眠る」に通ずる部分もあったが あちらと違ってどうも感情移入しにくいっていうか 荒唐無稽感が勝ってしまった気がする。個人的にはシナリオの練り込みも含め ちょっとヤッツケ感が感じられたので採点はちょっと辛めになるけど 僕の「勝新アレルギー」を少し薄れさせてくれたから良しとしよう(笑)




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