リスボン物語

 ジム・ジャームッシュとヴィム・ヴェンダースが時々ゴッチャになるヒゲです。こんにちは。今回観たのはヴィムの方。シュガールーさんが以前このブログのコメント欄にお書きになっていた作品「リスボン物語」です。

lisbon_story.jpg

 ヴィム・ヴェンダースと言えば「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」など、いくつもの作品が思い浮かびます。おそらくこれまでのドイツ人監督の中で最も知名度があり、ハリウッド的な成功を収めた人と言ってもいいかも知れません。

 さて、この作品ですが、良かったです。まずは色。そして音楽。ストーリーは実に淡々と、そしてミステリアスかつコミカルに進むんですが、終盤になって突如浮上したこの作品の主題がとてもユニークで心に引っかかるものでした。「記録と記憶」「作為と偶然」それらの間に生じる葛藤。これって、ものを作る人間、何かを表現している人間なら必ず1度や2度は出会う分水嶺じゃないかな。

 きっとこの映画を観て彼の地を訪れた人は多いでしょう。僕も観たあと猛烈にリスボンに行ってみたくなりました。もしその日が来たら、僕はそこで何を記録し、何を記憶するんだろう‥‥。



コメント