Quick Silver

 1996年、僕が個人事業主という名の根無し草稼業を始めたのを祝して、あの方がプレゼントしてくれたナイフ。なぜナイフだったのか。いまだにわからない。しかし、とても美しい。

quick_silver01.jpg

 思えばあの方と知り合って20年以上になる。たしか年齢は僕より2つか3つ上。なのに僕は彼を「○○くん」彼は僕を「○○さん」と呼んでいた。会社の先輩・後輩という間柄だった。同僚としての期間は短かったが、微妙な距離感で付き合いは続き、互いの結婚式にも出た。

quick_silver02.jpg

 不思議なものだ。とても近くに住んでいるのに、オンラインで会う事が圧倒的に多くなり、今では互いをハンドルネームで呼び合う仲となった。「ひげさん」「ルーさん」と。

コメント

  1. ぼくは、いろんな手続きや前提をすっ飛ばし、いきなり核心に触れる性質があり、気を抜くと時として友好的なつもりでも諸刃の剣のようなむき出しの表現を相手に投げつけてしまうことがあります。そんな中でひげさんはいつも建設的かつ想像力溢れる受け手として、ぼくにとって進むべき方向を気づかせてくれる、言わば希望の灯台であるといえます。かといってこのナイフはそのような人間関係における伏線でも布石でもなく、ただただ新しい旅立ちにはナイフ以外考えられなかっただけと思います。これはロープなどを断ち切るナイフですが、たった1本のロープが命をつなぎ止めることもあり、たった1本のロープが命を奪うこともあるということです。ちなみにぼくの記憶では結婚祝いにプレゼントしたと思い込んでいて、このナイフがアプリオリのように終わりの始まりとして全てを導き最後の1本を断ち切ってしまったのではと自責の念にかられていました。ってちょっとシリアスでごめんなさい。

    返信削除
  2. 【シュガールーさんへ】
    えええええーっ?
    「希望の灯台」ですってーーーぇ?
    なんか、責任重大じゃないですか!
    ま「自分の足もとは真っ暗」という意味ではかねがね灯台だと思っておりましたが(笑)
    なるほど「旅立ち」→「ナイフ」ですか。
    実にルーさんらしいですねぇ。
    ロープを切る事によって救われる人生もあるので、そういう意味ではこれがもし結婚祝いの品であったとしても、何ら問題はなかったと「建設的で想像力溢れる僕」は思いますよ(笑)

    返信削除

コメントを投稿