僕は自分の記憶力に全くと言っていいほど自信がない。おそらく僕と似たタイプの人には身につまされる作品だろう。主人公はある事件がキッカケで10分間の出来事しか記憶できなくなってしまった。その彼が、妻を殺した犯人への復讐を企てる。会った人の顔をポラロイドカメラで撮り、起きた事、考えた事をメモにとり、それらを肌身離さず持ち歩く。特に重要な事柄は自らの体にタトゥーを彫って記録する。
この設定だけでも充分おもしろいのだが、この作品がユニークなのは、時系列を逆転させている点だ。例えば、小説を最終章から第1章に向けて読んでいく感じ。時間を遡るに従い「なぜ彼はそうしたのか」が見えてくるのだが、それと同時に彼と現実の間に生じていたネジレが露呈する。ここが1番恐ろしいところだ。
最初にも書いたが、僕は自分の記憶に自信がないのだ。もしかしたら、僕の中にも彼と似たネジレが生じてるかも知れない。人は記憶があるから「今」を生きる事ができる。「自分」を形成するための最も重要な要素は「記憶」だと思う。記憶を失えばアイデンティティーも消える。この作品に登場する印象的なセリフに「目を閉じても 世界は消えない」というのがあったけど、目と記憶はイコールではないし、アイデンティティーを失えば、同時に世界も消滅するのだ。自己を意識する事によって世界は存在するのであって、それができなくなったら、この世はすべてフィクションになってしまう。
この設定だけでも充分おもしろいのだが、この作品がユニークなのは、時系列を逆転させている点だ。例えば、小説を最終章から第1章に向けて読んでいく感じ。時間を遡るに従い「なぜ彼はそうしたのか」が見えてくるのだが、それと同時に彼と現実の間に生じていたネジレが露呈する。ここが1番恐ろしいところだ。
最初にも書いたが、僕は自分の記憶に自信がないのだ。もしかしたら、僕の中にも彼と似たネジレが生じてるかも知れない。人は記憶があるから「今」を生きる事ができる。「自分」を形成するための最も重要な要素は「記憶」だと思う。記憶を失えばアイデンティティーも消える。この作品に登場する印象的なセリフに「目を閉じても 世界は消えない」というのがあったけど、目と記憶はイコールではないし、アイデンティティーを失えば、同時に世界も消滅するのだ。自己を意識する事によって世界は存在するのであって、それができなくなったら、この世はすべてフィクションになってしまう。
時間の正体は記憶らしいですよ
返信削除そんでこの世界は
記憶のネットワークで
はかなく存在してるらしいですよ
そんで個体が記憶を失っても世界のダメージは少ないけど
記憶を持つ物がすべて消滅すれば時間もなかったことになって
この世も消滅するらしいです
そうなるとそこには天地がひっくりかえるくらい
大変なことが普通に起こる世界が
存在するでも無く存在するかしないらしいです
【シュガールーさんへ】
返信削除ルーさんの今回のコメントのポイントは
「~らしい」という部分ですね(笑)
私はよく、他の記憶が混ざっている時が有ります・・・
返信削除たぶん夢の記憶なんでしょうが
変な気分に苛まれ吐き気さえも・・・
そして、私の見る物触るものが・・
実は全然違う形や色なのかもと思ったり
��犬がモノクロな様に・・・)
【鶴丸さんへ】
返信削除まさにそれがネジレです。
記憶とそれ以外のものの整理ができなくて、それらを必死に整合させようとするんだけど、それがうまく行かず、平衡感覚を失って吐き気を催してるのではないかと、ニセ精神科医のヒゲは分析します。
制御不能の想像力って、まったく厄介です。
制御不能な記憶や想像力・・・
返信削除そう言えば、私の体も制御不能に成る事あるんですよねぇ・・・
魅力的な女性の前とか(笑)
【鶴丸さんへ】
返信削除魅力的な女性の前で制御不能になってる鶴丸さん‥‥
見てみたいような‥‥
見たくないような‥‥
��笑)
ふんふん言って(逝っ)いる私なんて見ても
返信削除気持ち悪いだけですって(笑)
【鶴丸さんへ】
返信削除ふんふんて(笑)
好きな映画。クリストファー・ノーラン。
返信削除また観たくなった。
ヘッダー画像、ランダムなんですね。
【ポトフさんへ】
返信削除はい、ヘッダーをランダムにしてみました。いつも同じじゃつまんないなぁ‥‥と思いまして(笑)
ところでポトフさんはこの監督さんお好きなんですか?
僕は今頃になって知ったんですが「バットマン・ビギンズ」もクリストファー・ノーランだったんですね。バットマン・シリーズの中でも結構好きな作品です。
好きなんですよ、クリストファー・ノーラン。だって暗いでしょ? すっきりしない感が良いのです。
返信削除メメントの印象が強いので、バットマンを撮ると聞いたときは驚きましたが、なかなかやってくれてますよね。
【ポトフさんへ】
返信削除MEMENTOのDVDに、監督のインタヴューが入ってたんですが、クリストファーさんはかなり神経質で分析が大好きで理屈っぽくて気むずかしい人に見えました。
そんな彼に一大エンターテイメント作品のバットマンの監督を依頼した人もこれまた凄いなぁ‥‥と思います。