この映画は実話に基づいている。14年前、アフリカでの出来事。ルワンダにあった外資系四つ星ホテルの支配人が主人公。彼はフツ族。妻はツチ族。
僕の記憶には「ルワンダ」「フツ族/ツチ族」「虐殺」というキーワードだけが辛うじて残っているだけで、情けない話だが「どういう経緯で、何が起き、どうなったか」について「何も知らない」に等しいし、この映画を観たからといってわかったつもりになるつもりもない。
「オーシャンズ…」シリーズでお馴染のドン・チードル、日本でも特に女性に人気のジャン・レノ、僕の大好きな「48時間」でいい味出してたニック・ノルティなど、そうそうたる俳優が出演しているが、観てるうちにそんな事はどーでもよくなる。
あらかじめ言っておくと、この映画は「実際に起きた事」のほんの一部しか描いていない。なぜなら、殺された人達の体験を本人目線でトレースする事が不可能だから。生き残った者の体験談を元に描くしかないのだ。そういう意味では一応ハッピーエンドの映画ではある。本当はとんでもなく惨(むご)い状況だったに違いない。が、その辺は比較的ソフトに表現している。とは言っても充分残酷ではあるが。
政府、軍隊、フツ族の民兵、市民(フツ族とツチ族)。そこにニュース映像などで見覚えのある、白地に黒で「UN」と書かれたクルマに乗り込み、水色のヘルメットを被った国連軍(という表現が正しいかどうかはわからないが)、そして赤十字のスタッフ、海外メディアの特派員‥‥と、様々な人達が入り乱れ、怒り、脅え、守り、救い、殺し、殺される。
嘘やハッタリを巧みに絡ませつつ交渉を繰り返し、東奔西走し、あくまで「ホテルマンとして」人々を守ろうとする主人公。辛さを自分の中だけにグッと抑え込み、決して人前では出さない。人知れずロッカールームで泣き崩れる彼の姿には心が潰されそうになった。
しかし、1番印象的だったのは、彼らを守るために派遣されていながら、発砲すら許されない国連軍と、命がけで悲惨な現状を伝えようとするマスコミ人の「現場にいながら何もできない」という無力感の方だった。ニック・ノルティ演ずる国連軍兵士は主人公に「無力な俺にツバを吐きかけてくれ」と言い、メディアのカメラマンは「この悲惨な現状をテレビで観た人達は“怖いね”と言ってディナーを続けるだけだ」と言った。
ラジオをつければ「ツチ族のゴキブリどもを殺せ」「ツチ族をかくまうフツ族もゴキブリだ」と繰り返し繰り返し流れてくる。つまりは、こーなると、そーなるんだな。果たしてこれが狂気のなせる技なのか、それとも人間が元々持っている本性なのかはわからないが、人間ってヤツは「こーなるとそーなり、そーなるとこーなるものだ」と言う事だけは知っておくべきだと思った。時代や国が違っても、昔から人間は同じ事を繰り返しているのだから。
僕の記憶には「ルワンダ」「フツ族/ツチ族」「虐殺」というキーワードだけが辛うじて残っているだけで、情けない話だが「どういう経緯で、何が起き、どうなったか」について「何も知らない」に等しいし、この映画を観たからといってわかったつもりになるつもりもない。
「オーシャンズ…」シリーズでお馴染のドン・チードル、日本でも特に女性に人気のジャン・レノ、僕の大好きな「48時間」でいい味出してたニック・ノルティなど、そうそうたる俳優が出演しているが、観てるうちにそんな事はどーでもよくなる。
あらかじめ言っておくと、この映画は「実際に起きた事」のほんの一部しか描いていない。なぜなら、殺された人達の体験を本人目線でトレースする事が不可能だから。生き残った者の体験談を元に描くしかないのだ。そういう意味では一応ハッピーエンドの映画ではある。本当はとんでもなく惨(むご)い状況だったに違いない。が、その辺は比較的ソフトに表現している。とは言っても充分残酷ではあるが。
政府、軍隊、フツ族の民兵、市民(フツ族とツチ族)。そこにニュース映像などで見覚えのある、白地に黒で「UN」と書かれたクルマに乗り込み、水色のヘルメットを被った国連軍(という表現が正しいかどうかはわからないが)、そして赤十字のスタッフ、海外メディアの特派員‥‥と、様々な人達が入り乱れ、怒り、脅え、守り、救い、殺し、殺される。
嘘やハッタリを巧みに絡ませつつ交渉を繰り返し、東奔西走し、あくまで「ホテルマンとして」人々を守ろうとする主人公。辛さを自分の中だけにグッと抑え込み、決して人前では出さない。人知れずロッカールームで泣き崩れる彼の姿には心が潰されそうになった。
しかし、1番印象的だったのは、彼らを守るために派遣されていながら、発砲すら許されない国連軍と、命がけで悲惨な現状を伝えようとするマスコミ人の「現場にいながら何もできない」という無力感の方だった。ニック・ノルティ演ずる国連軍兵士は主人公に「無力な俺にツバを吐きかけてくれ」と言い、メディアのカメラマンは「この悲惨な現状をテレビで観た人達は“怖いね”と言ってディナーを続けるだけだ」と言った。
ラジオをつければ「ツチ族のゴキブリどもを殺せ」「ツチ族をかくまうフツ族もゴキブリだ」と繰り返し繰り返し流れてくる。つまりは、こーなると、そーなるんだな。果たしてこれが狂気のなせる技なのか、それとも人間が元々持っている本性なのかはわからないが、人間ってヤツは「こーなるとそーなり、そーなるとこーなるものだ」と言う事だけは知っておくべきだと思った。時代や国が違っても、昔から人間は同じ事を繰り返しているのだから。
辛いですよね。
返信削除この映画の興行はあんまりなかったと思います。
それだけ政治的に影響があったんだと思いますけど、日本は鎖国ですね。やはり。
ちょっと取り留めないですけど。すみません。
【とど吉さんへ】
返信削除この映画は日本公開時にマイミクシィのお1人が「上映館を増やそう!」と呼び掛けていらした事もあって、観てみたかった作品だったんです。
さすがにルワンダのように、たった3ヶ月で100万人もの人が殺されるという凄まじい規模ではなくとも、同じような事が今も起こり、今後も起こるでしょうから、いつまでも「知らぬ存ぜぬ」ではいけないんでしょうが‥‥
ダウンアンダーでのうのうとおかまのショーを観て、ワイン片手にCare2のPetitionに名前を書き込む能天気な男に何時天誅が下るのか。
返信削除Darfurでも誰が敵やら、味方やら判らぬ混乱の中で殺戮が続いているのでしょう。
【Maxさんへ】
返信削除いろいろ調べながらMaxさんのコメントを読ませていただきました。「Petition」は「嘆願書」、「Darfur」は紛争が続く「ダルフール地方」だとわかりましたが、「Care2」がわかりませんでした。そして「ダウンアンダー」ってオーストラリアの愛称だったんですね。知りませんでした!
しかしあれですね。「義を見てせざるは勇なきなり」と言いますが、肉親でもない人を救うために自分の命を捨てるというのは、人間的な視点では「美談」ですが、生き物としてはとても不自然な事で、やはり理想としては「各々が自力で幸せになれる社会」を目指すべきだという気がします。そして、恵まれた人が恵まれない人をできる範囲内でサポートする。という意味では「おかまショー+ワイン→嘆願書」も、無意味ではないのではないか‥‥と、何のアクションも起こさず、常にある種の「うしろめたさ」を感じている僕は思ったりしてます。
後ろめたさの解消に貢献出来るでしょうか?
返信削除http://www.thepetitionsite.com/takeaction/872015591
【Maxさんへ】
返信削除翻訳サイトを使ってリンク先を拝見しました。なるほど「Care2」は、様々な社会問題に対する嘆願書に署名を募る活動だったんですね。
僕の知らなかった問題が他にもたくさんありそうなので、とても為になります。
教えていただき感謝します!