幕末太陽傳

 やっと観る事ができた。川島雄三の1957年度作品「幕末太陽傳」。うーむ。唸ってても始まらない。なーんかズシッと来た。なんだろう‥‥。初めに言っておくと、僕がこの作品を観たいと思うようになったキッカケは、川島雄三の生きざまを扱ったテレビ番組だった。

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 これは喜劇である。落語的で軽妙な時代劇である。キャストもビックリするくらい豪華で、誰がどんな役で出ているかを見るだけでも充分楽しめるのだが、川島監督がどんな人生を送り、どんな最期を迎えたかを知った上で観たからだろう。フランキー堺演じる主人公「佐平次」と川島の死生観がダブって見えてしまう。

 有名な話なのでご存知の方もいらっしゃるかも知れないが、この映画にはボツになったエンディング案がある。あまりに奇想天外なアイディアであったため、周囲から猛反対を喰らい、結局無難な着地をしてしまったが、これはある意味成功だったのかも知れない。観客に「もしあっちのエンディングだったら‥‥」を想像する余地を与えてくれてるから。

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