123便の31分53秒

 おそらくある年齢以上の日本人は誰もが「御巣鷹山」と聞くと、あの出来事を思い出すだろう。JAL123便。そう、九ちゃんが亡くなったあの飛行機事故。

 実はへるまんさんの日記に紹介されていた、あるFLASH映像を観て胸が押しつぶされそうになった。123便に異常が起きてから墜落するまでの30分あまりの模様が、ボイスレコーダーに残された音声と、その時々の飛行機の位置・高度・速度を記した地図によって再現されている。

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 あまりに生々しいコックピット内部の会話。管制官とのやり取り。鳴り続けるアラーム音。まるで映画のワンシーンのようだ。が、映画ではない。その時その場でその人が体験した紛れも無い事実の記録だ。

 僕はこの声の持ち主が、この何分か後に死んでしまう事を知った上で彼の声を聞いている。垂直尾翼を失い、油圧系がダウンした機体を必死にコントロールしようとし続ける男達。しかし123便の辿った軌跡は、残酷なまでにランダムな線を描いている。

 あまりにショッキングな音声と映像だったので、最初は「観てしまった」という印象を持ったが、時間を置いて何度か観てみた。少しずつ「何が起きていたのか」を考える余裕が出てきた。機長、副操縦士、乗務員、乗客は、その時何を感じ、何を考え、何をしたのだろう‥‥そして、残された家族、奇跡的に救出された4人は今‥‥

 お亡くなりになった520名の方々のご冥福をお祈りします。

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