久しぶりにレコードを引っ張り出して聴き始める。クルセイダーズのキーボーディスト、ジョー・サンプルが1981年に出したソロ・アルバム「Voices in the Rain」。特に好きなのがA面2曲目の「Burnin' Up The Carnival」という曲。シーウインドのポーリン・ウィルソンがヴォーカルを担当している。彼女のキュートでありながら野性味溢れる歌声にはいつも涙が出そうなほどゾクゾクする。
そしてB面3曲目。チック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーなどでもおなじみのフローラ・プリム嬢をフィーチャーした美しい曲「Shadows」。チックほど濃密な美しさではなく、もう少し「下界に降りてきた天使」って感じかな?「ヤラヤラヤ~ラ♪」といかにもブラジルっぽい(もしくは東濃弁っぽい)スキャットを披露するフローラ。とても怪しく、そして美しい。少し神様が見えます。
こうなるともうR.T.F.を聴くっきゃないでしょ。と勝手に盛り上がり、チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァーの「Light as a Feather」を取り出す。そう。あの「スペイン」が入っている名盤(1972年録音)だ。パーソネルはチック・コリア、スタンリー・クラーク、アイアート・モレイラ、ジョー・ファレル、そしてさっき紹介したジョー・サンプルのアルバムにも参加しているフローラ・プリム嬢。
やっぱこりゃスゲェ演奏だわい。初めて聴いたのは発売から10年経った頃。当時僕は高校生。今にして思うと「ませたガキ」だった。完全に背伸びしまくり。背伸びでは足りず竹馬に乗ってもまだ足りず、ハッキリ言えば知ったかぶりで虚言癖ありの「なんちゃってジャズ・ファン」だったような気がする。しかし、よく考えると録音当時のミュージシャン達の年齢は現在の僕よりずっと下だったはず‥‥それを思うとただただひれ伏すばかり。う~ん、皆さん早熟でいらっしゃる。
いや~ぁ、しかしB面ラストの「スペイン」にはやっぱり興奮する! 高校生の僕が背伸びをしなくても楽しめたのがこの曲だけだった事をここに告白しておきます。このスリリングで哀愁たっぷりの変拍子の波状攻撃! エクスタシーを感じます。
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