パリ、テキサス

 僕はたまに「眠る気になれない」時がある。けっして「眠りたいのに眠れない」のではなく「眠るべきなのに眠りたくない」のだ。翌日が休日ならずっと起きてても良いが、翌日朝一で打ち合わせがあったりする場合はそうもいかない。どう考えても「眠るべき」だ。で、部屋の明かりを消して布団に入るんだけど、暗闇と静寂がピリピリと僕を刺激し始める。いかんいかん。なんとか自分をなだめすかして眠らねば。

 そんな時僕はNHKラジオ第一の「ラジオ深夜便」を聴く事が多い。そして美空ひばりやらスタン・ゲッツやらといった、脈絡どがいしの選曲を楽しんでいると気付かぬうちに眠ってしまう。
 だが、たまに「人の声を聞きたくない」と思う事がある。そんな時に決まって取り出すのが、20年ほど前に友達に録音してもらった「パリ、テキサス」のサントラが入ったカセット・テープ。

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 この映画、昔観たんだけどあんまり覚えてない。父と娘のロードムービーだったかな? ナスターシャ・キンスキーが出てたような気がする。僕には映画よりライ・クーダーの音楽が圧倒的だった。彼のスライド・ギター(ボトル・ネック奏法)がたまらない。地味と言えば地味だし、暗いし、哀愁が漂いまくってるんだけど、ジメジメした所がまったくない。カセットじゃなく「ちゃんとCDを買いたいなぁ」と思い続けて早20年。昨夜、このテープを聴いててふと思った「そうだ、iTunes Music Storeで購入すれば今すぐ手に入るじゃないか」と。で、サーチをかけてみると、なんとiTMS JAPANのリストに入ってないっ! それどころか日本のiTMSには「サウンドトラック」というカテゴリーすら存在しない。‥‥愕然。(もちろん米国のiTMSにはSoundtrackもあるし"Paris, Texas"を買う事もできる)僕は米国のアカウントを持っていないのでダウンロードはあきらめた。ジャケットやケースはどーでもいいから音楽だけ手に入れたい。今度レンタルCD屋に行ってみよーっと。

【資料】
○iTunesをお使いの方はコチラからiTMS AMERICAのページで試聴する事ができます。
○DVD「パリ、テキサス」
○「パリ、テキサス」のヴィム・ヴェンダース監督とライ・クーダーが組んだ作品として「ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ」も、とてもいい作品。コチラにはライ本人も出演してる。


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