ケイツイコ

 僕は子供の頃とても寝相が悪く、起きた時に枕が頭の下にあったためしがないんだけど、最近はそれほどの暴れん坊ぶりは発揮していない。と思う。もしかすると360°とか720°回転して元の位置に戻り、ふたたび枕の上に頭を乗っけるという高度な技を身につけただけなのかも知れないが‥‥。
 そんな事もあって子供の頃は枕に対する不満などなく「あってもなくてもいい」存在ですらあった。けど大人になると、やれ「高い」だの「低い」だの「固い」だの「柔らかい」だの「形が」「大きさが」と枕に求める条件も厳しくなって来る。朝起きた時に首が痛いとか、肩が凝ってるといった事もたまにあるので、枕選びの重要性は充分に認識してるんだけど「じゃあどんな枕がいいの?」となると「う~ん」となる。

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 買い物の途中、枕売り場を通りがかると、座高を測る時に使うイスのような機械が置いてあった。「頸椎弧(けいついこ)」の深さを測定をしてくれる機械らしい。頸椎弧とは首の後ろの部分のカーブの事で、仰向けに寝た時にできる首下の隙間は人それぞれなので、そのカーブの深さを元に枕を選ぶと良いんだそうだ。物は試しとばかり計ってみた。結果は3.8㎝。そして枕の陳列棚に直行。棚には頸椎弧の深さ別にいくつもの枕が並べられていた。僕の頸椎弧の深さに合う枕を持って、脇に置いてあるベッドの上に寝転んだ。ふむふむ‥‥確かに自然なフィット感。

 でも枕って最低でも一晩使ってみないとわかんないよね。価格の高い枕になればなるほど買う時に勇気が必要だし、結局そのリスクを背負う勇気がないばっかりに安い枕を買って「なんか寝心地悪い」てな事になる。だからいつまで経っても「きっと高い枕はいい感じなんだろうな」となる。難しい商品だな。「安物買いの銭失い」という言葉が頭に浮かぶ。

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