備える事…しかできない

 僕は以前から実家の両親に「災害時の避難先はわかってる?」「避難袋は用意してある?」と何度も念を押していたのだが「避難先はわからない」「避難袋も何を入れたら良いかわからない」と、なんとも心配な答えが返ってくるばかりだった。新潟で起きた大地震のおかげかどうかはわからないが、そんな親もやっと「避難袋を用意しておきたい」と言い出した。そこで僕が袋とその中に入れておくべき最低限の持ち出し品を揃える事になった。使っていないデイパックがうちにひとつ余っていたので、袋はそれを使う事にしたのだが「さて、何を入れようか‥‥」そこでまず自分用の避難袋の内容を再チェックしてみた。ふむふむ‥‥

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水/食べ物/下着/タオル/カッパ/通帳/印鑑/印鑑登録証/現金/地震保険証書/健康保険証/筆記用具/ビニール袋/折り畳み傘/ティッシュ/ラジオ/乾電池/ロープ/缶切り/カッター/バンドエイド/消毒液/猫のエサ/避難マップ/地震マップ/免許証/レジャーシート/ナイロン製の手さげ袋

 ざっとこれだけ入っていた。これでオッケーだろうか?「あ、食べ物の賞味期限が切れそうだ」以前テレビで「やきとりの缶詰めが良い」って言ってたからリストに加えよう。あ、それから箸やフォーク、スプーン、紙コップや簡単な食器もあった方がいい。新潟で被災された人達は箸がなくて、最初のうち支給されたご飯を食べるのに苦労されていた。あ、歯ブラシが入ってないぞ。懐中電灯は? 靴は? オムツは? 生理用品は?‥‥(最後の方は僕には必要ないか)。

 東海地方は近い将来確実に巨大地震が起こる。そして東海地震が起こると他の地域の地震を誘発する可能性が高いらしい。もしそうなれば単発で起きた“阪神淡路”や先日の“中越”とは比べ物にならないほど広い地域で多くの人が被災する事になる。と、いうことは被害を免れた地域や国からの救援物資は充分に行き渡らないだろう。日本という国は最悪の事態を想定して危機管理をする事は絶対にない。起こった後で「信じられない」とか「起こってはならない事が起きた」とか「残念だ」とか「遺憾に思う」とか言うに決まってる。だから僕は「イザとなったら国が何とかしてくれる」とは思っていない。『備える事』それが我々にできる唯一の事だ。

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