視点こそが財産

 今日、雑然となっていた書棚にやっと手をつけた。中でも気になっていたのは何十冊も平積みにしてあった「NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)」だ。2000年から今年にかけて定期購読していたので、40冊以上あるのだが、ビニール袋に入ったままになっている物も数冊あって「いつか本腰を入れて読まねば」と心に引っ掛かり続けていた。

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 「NATIONAL GEOGRAPHIC」という雑誌は、科学、生物、政治、歴史などジャンルにとらわれない事柄を、美しい写真と、(可能なかぎり)ニュートラルな視点から書かれた文章によって紹介してくれる。「僕はナゼ今までこんな大切なことを知らなかったのだ?」とか「これはホントに地球なのか?」とか「テレビや新聞で知る事ができない事がこんなに多いとは‥‥」と、目から何千枚ものウロコを一気に落とすだけのパワーを持つ類いまれな雑誌だ。「NATIONAL GEOGRAPHIC」を見ていると、僕はいつもその編集理念に感嘆の溜息を漏らしてしまう。

「なぜこんな視点からものを見、伝えることができるのだろう」

知識の量なんかより、視点を自由自在に変える柔軟性を持つ事の方がよっぽど人生を豊かにし、幸せにしてくれる。と僕は思う。

最後に‥‥
この雑誌には『モイヤー先生の教え子たち』という連載があるのだが、そのジャック・T・モイヤーさん(三宅島を愛した海洋生態学者)が今年亡くなった。ここに哀悼の意を送る。『グランブルー』のモデルとなったジャック・マイヨールといいモイヤー先生といい、海の素晴らしさを伝えてくれた人たちが選んだ「命への終止符の打ち方」には何とも言えない悲しみがつきまとう。やりきれない。

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