斬る(1968年/日本)

久々の岡本喜八作品。迂闊にも見逃していた作品だったけど、いやぁ面白かった! まさに岡本喜八ならではのリズム感とコメディーセンス。でもストーリー設定はこの映画の6年前に公開された黒澤明の「椿三十郎」にそっくり。椿三十郎での三船敏郎が仲代達矢に、椿で仲代が演じていた役は該当する登場人物が見当たらなかったものの、岸田森がそれに当たると言えなくもない。そして加山雄三は中村敦夫に、伊藤雄之助は東野栄二郎にといった具合に置き換える事ができる。おまけにクーデターを起こす若者たちの何人かは両作に出演していて、音楽は共に佐藤勝が担当している。黒澤作品ではクールでニヒルな役を演じる事の多い仲代達矢だけど、喜八作品ではトボけた3枚目という役どころが見事にハマる。

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