中日劇場のこの壁面にはシビレました。パッと見はまるで無響室の壁面みたい。木材を使う事でいい感じに吸音され、音を乱反射させる事で籠もりのない均一な音場を目指していたりするんでしょうか。
元々こうだったのか、解体に向けて壁板を剥がした状態なのかわかりませんが、1階客席横の壁が剥き出しで、木材にスピーカーらしき物が埋め込まれている様子も確認できました。
いくらなんでも釘や鎹(かすがい)が剥き出しの、この状態ではお客さんがケガをしかねないので、やはり元々はこの上に板が貼られていたんだと思いますが、この状態が見られたのは貴重な経験かも知れません。カッチョイイです。現代アートの作品みたいです。
そして木材に書かれた「塩地」「桧」「ローズウッド」「ラワン」「チーク」といった、木の種類を記した文字が実に興味深い。今回「塩地」という名前を初めて知ったんですが、調べてみたら「しおじ」と読むんだそうです。
専門的な事はわかりませんが、大きさ、形、素材、配置などを、複雑に使い分け、組み合わせる事で、より豊かでより深い何らかの効果を狙った、半世紀前の人たちの工夫なんでしょうね。ちょっと感動です。
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