なにっ! オープンリール・ラジカセだと?(カセじゃないけど)

 Pinterest でこんな画像を発見。「イカス」の言葉に偽りなし。一体いつ頃の製品なんだろう‥‥? ラジオとテープレコーダーが合体した製品は、一般的には「ラジカセ」と呼ばれるが、これは「カセ」ではない。だってオープンリールだもの。


オープンリール式のラジカセ(ちょっとおかしな表現だけど、そうとしか言いようがない)は、1963年に日立製作所が作ったモノが国内初らしい。つまりこのクラウンの製品は、1963年からカセット式のラジカセ(これまた変な表現だな)が普及するまでの間に販売されていたモノだと思われる。しかしこの広告のコピー、よく読むとなかなか味わい深い。画像だとわかりにくいのでわざわざテキスト起こしをしてみた(判読できない部分は■で表記)。

イカス男の新しいFM!
CRC-2500F

若い行動派におくる 日本でただ一つの〈FMテレコ〉

ラジオのように小さく、剣のように鋭いFM/AMラジオつき、小型携帯テープレコーダーの誕生です!
ラジオ→録音はワンタッチ。フォークもダンモも、スイッチひとつ。美しいFMテープができあがります。
もちろん、普通録音もOK――彼女の声をとったり、ノートがわりに使ったり、その楽しさは抜群です。

─────────────────────
●乾電池/電灯線(アダプター付)ダブル電源
●録音レベルメーターつき
●大きさ5.8×21.3×14.3cm重さ1.5kg
─────────────────────

FM/AM2バンド 10石トランジスターキャプスタン式
マイスタディF
現金正価¥19,800(定価¥20,800)
(本体¥17,740/2型63■)
テープ(35■)¥160/ACアダプター¥1,900)

ラジオ・ステレオ・テープレコーダー
クラウン
クラウン株式会社/東京都台東区上野3丁目17番4号
東京・大阪・福岡・名古屋・札幌・広島・横浜・仙台・新潟

世界126カ国で愛用されている CROWN 製品

★■■いカタログは→住所・氏名・年令・職業お書きの上〈請求券〉を貼って宣伝課までお申し込みください---------P-RF請求券

「日本でただ一つ」というのは「FMラジオが聞けて録れる」という意味でかな? いやぁ〜しかし「剣のように鋭いラジオ」ってどんなラジオだ(笑)そして「フォークもダンモも」ってとこもイイね。「ダンモ」なんて言い方ひさしぶりに聞いたわ(笑)当時の若者がどんな音楽に夢中になっていたかが垣間見えるコピーだね。

ところで「現金正価」って何だ?(定価より千円安い)。それも気になりつつ、この商品の「2万円」という価格が高いのか安いのかがピンと来なかったので、ためしに1965年の大卒男子の初任給を調べてみたら「2万4千円ぐらい」だった。さすがに気軽に買える値段じゃないね。でもそりゃそーだわな。簡単に持ち運びができて、ラジオが聞けて録音までできちゃう装置だもんな。けど、それに比べてテープの価格が「150円」ってのは意外に安い気がする。で、スペック表に記述はないけど「彼女の声をとったり」って書いてあるから、ちゃんとマイクも内蔵されてるんだろうね。うん。イカス。
 

コメント