Vacuum Car

 バキュームカーを見かけなくなって久しい。僕は「バキューム」を「吸い取る」という意味だとばかり思っていたが「vacuum」は「真空」って意味だったんだね。つまり直訳すると「真空自動車」おいおい いきなりカッコいいね(笑)

 用を足した後 ウンコ オシッコ 尻を拭いた紙が 水に流されてアっという間に消えてなくなる。今となっては当たり前の事だが 実家のトイレが水洗になったのは 僕が高校生の頃。それまではウンコにもオシッコにも紙にも逃げ場はなく 誰かがそこから移動させない限り それはずっとそこにあった。それが当たり前だった。

 そしてそこで重要な役割を果たしていたのがバキュームカー。家の前に駐めたバキュームカーから 糞尿が溜めてある場所まで長いホースを延ばし 一気に吸い取ってクルマ後部のタンクに収める。その行為は「汲み取り」と呼ばれていて 汲み取りは3〜4人の男たちがチームを組んで行なわれていた。

 汲み取りに来てほしくなったら 指定の場所に設置された箱に「汲み取り券」を入れる。実家の場合は 近所の駄菓子屋が汲み取り券の取り次ぎ所になっていた。まずはその駄菓子屋で汲み取り券を購入し 券に住所・氏名を書いて投函する。たしかそういう段取りだったと思う。

 日本にバキュームカーが登場したのはいつ頃なんだろう? Wikipediaによると「糞尿汲み取り用のバキュームカーは川崎市が全国に先駆けて開発・導入した」とあり それは1951年の事らしい。よく考えてみると 僕はバキュームカー登場以前の日本のトイレ事情を知らない。

コメント

  1. 自分も知らないです。
    ばぁちゃんちは、絶対バキュームカーなんて
    入って来られないところに建ってたから
    どうしてたんだろう...

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  2. 【hanabishiさんへ】
    そうなんですよね とうていバキュームカーが入れないような細長い路地の奥とか 徒歩でしか行けないような山の中腹に建ってた家はどうしてたんでしょうね。と 過去の事のように考えてしまいがちですが Wikipediaによると 2009年現在の日本の下水道普及率は72.7%とのことなので 下水道設備の整ってない地域は 今も自分ちの糞尿を何らかの方法でどっかに移動させているわけで これは決して過去の話ではないんでしょうけど‥‥

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