いのちの食べ方(2005年/オーストリア・ドイツ)

 この作品は想像してたのと、かなり印象が違っていた。観た人たちのレヴューを読むと「つまらない」とか「退屈だ」とか「わかりにくい」とか書いてあって、それなりの覚悟を持って観てみたんだけど、そんなことないよ。ぜんぜん面白かった。これはドキュメンタリー作品なんだけど、とてもグラフィカルでクールでスタイリッシュな撮り方がされている。おまけに登場する人は一言も喋らないし、ナレーションもテロップもいっさい無い。

4540179200154_1L.jpg

 邦題は「いのちの食べ方」だけど、原題は「UNSER TAGLICH BROT」英語のタイトルは「OUR DAILY BREAD」英語のタイトルから察するに「我々の日々の糧」という意味になるのかな? この映画は「動物や植物がどんな過程を経て我々の口に入るのか」を淡々と描いている。「いのちの食べ方」という邦題が付けられてるけど、この作品が描いている事を正確に表すなら「食べられる命」とか「生産された命」とか「生き物が食べ物になる瞬間」とか、そんなタイトルがピッタリ来るんじゃないかと思う。



コメント

  1. 「いのちの食べ方」より「食べられる命」「生き物が食べ物になる瞬間」の方がピッタリ来るという感想でなんとなくわかりました。
    こういうの好きです。
    私も機会があれば是非観てみたいと思います。

    返信削除
  2. 【千夜子さんへ】
    あ、千夜子さんはこういうのお好きですか。
    ホントは生々しく血なまぐさいはずの作業が、まるで工業製品でも作ってるかのように見えてしまう所に衝撃を受けます。
    あと、昔NHKが放送して、ジブリがDVD化した「人間は何を食べてきたか」というシリーズも1枚だけ観てみましたが、この分野に興味がお有りなら、こちらもオススメしておきます。

    返信削除
  3. この映画は観てないですが「クジラを殺して食べるなんて何て残酷な!」ってな感じで勘違いしちゃってる人にぜひ観て欲しい気がしています。

    返信削除
  4. 【midunoさんへ】
    「食べてもいい/食べちゃダメ」の線引きの根拠って
    実はとても曖昧だったりしますしね。
    「食べちゃダメ」派の人も「食べたい」派の人も
    「食の原点」「命の原点」に立ち戻って
    もう1度ちゃんと考えてみる必要があるんじゃないですかね。
    でも僕が1番問題だと思うのは
    「食べるべきか食べざるべきか」よりも
    「食べる量以上の命が奪われている現状」の方だ
    という気がしますし、その反面
    こっちでは余った食べ物が毎日廃棄されているのに
    こっちでは食べるものがなくて死んでいく人がいる。
    という現状にもやり切れない思いを抱いてしまいます。

    返信削除

コメントを投稿