ウルフマン・ジャック

 彼を最初に見たのは30年ぐらい前のテレビCMだったか‥‥あ、そうだ。パイオニアのコマーシャルだったと思う。牙をつけた彼が黒いマントをまとってヘッドホンをしてるんだ。バックにはお約束の「狼の遠吠え」の音が流れる。たしかそんなCMだったと思う。当時中学生ぐらいだった僕は「この人すごい歯だなぁ」と、純真無垢にもほどがある感想を持った。

 そのすぐ後、映画「アメリカン・グラフィティー」をテレビで観たんだ。「あ、あの人が出てる!」カッチョイイ! カッチョ良過ぎる! 吹き替えはたしか小林克也さんだったと思う。後になって小林さんの吹き替えの見事さを実感した。ものすげぇ忠実に演じてらしたんだ。

middle_1170854851.jpg

 彼の名は「ウルフマン・ジャック」。職業はDJ。まさにMr. Disc Jockey。アメリカン・グラフィティーの中の彼に感化された僕はDJ、そしてラジオというものに夢中になった。選曲、レコードのプレイ、ミキシング、そして勿論トーク、何から何まで1人でこなす。彼は僕の憧れの人となった。

 折しも当時日本ではBCLのブームが巻き起こっていた。ソニーのスカイセンサーやらナショナルのクーガーなんていうラジオが大人気で、僕もご多分にもれず、金庫破りよろしく指先に全神経を集中させながらチューニング・ダイヤルを回す夜を過ごしていた。

 そんな中、夢中になったのが「FEN(極東放送)」だった。ニュースありドラマありコメディーあり、もちろんアメリカンTOP40に代表される音楽番組も充実の、トラディショナル・アメリカン・スタイルなレイディオ・ステーションだった。(いかんいかん。ついお粗末なカタカナ英語を乱発してしまった)番組の要所要所に挟み込まれる「アーメリカン・フォーセス・レイディオ~♪」みたいなジングルも超カッコよくってさぁ‥‥あと時報の時のさぁ「ザ・ターイム、イズ・イレブン・オクローック」なんていうナレーションにゾクゾクしたりさぁ‥‥

 そんな中、彼の番組「ウルフマン・ジャック・ショー」も放送されていた。独特のダミ声で絞り出すように叫ぶウルフマン。ゴキゲンな音楽が流れ、狼が吠える。彼の声としゃべり方って、パッと聞きはワイルドで騒々しいんだけど、とてつもなく深い悲しみが漂ってるんだ。え? そんな事を感じるのは僕だけ?

middle_1170854927.jpg

 あ、そうそう。Fredioのリスナー数が6000人になりました。いつも同じ事を書いてる気がするんですが、あまりに多いリスナーの数に「ピンと来なくなっています」とにかく僕が思っているのは「アンタも好きねぇ」いやいやっ、じゃなくって、ただただ感謝なのです。いつも聴いてくださってる皆さん、これからもFredioをよろしくお願いします♪

コメント