土壇場の大騒ぎ

 最近ネット上で「PSE」とやらに関する記述を多く見かける(狂牛病の事ではないよ)。掲示板やコミュニティー、個人のブログなどに非常に長ったらしい文面がコピー&ペーストされ、場合によっては事実とは異なる「尾ヒレ」がつけられ、ヒステリックな内容であることも多い。「チェーン・メール化してしまうので迂闊に引用しないように」という書き込みも見かけるが、あまり効果があるようには感じられない。

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 では、今回騒ぎになっている「PSE問題」とはいかなるものか、僕もつい最近知ったので正確に把握しているわけではないんだけど「電気用品安全法」という法律に反対する人たちが抗議運動を始めた。という事らしい。じゃあ「電気用品安全法」がどんな法律かと言うと「安全性が保証されていない電気製品を売らないようにしましょう」と言う感じの物で、実は1999年に改正され、2001年から施行されているんだそうだ。ただ、いきなり「売るな!」というのでは市場が混乱するから5年の猶予期間を置いて今年の4月から本格的に取り締まりますよ。という事だったらしい。

 全然知らなかったんだけど実は2001年以降、安全性を確認できた電気製品には「PSEマーク」が付けられているんだそうだ。で、今年の4月以降はその「PSEマークの付いてない製品を売るべからず」と‥‥「な~んだ、何も問題ないじゃないか」そう思ってしまいそうだけど、問題は2001年以前の製品は、たとえ安全性に問題がなくても売る事ができない。という点なんだね。市場で売り買いされているのが新品の製品だけならそれほどたいした問題ではないんだろうけど、世の中には「中古」あるいは「ヴィンテージ」と呼ばれプレミアがつくほど貴重で高価な製品をやり取りしている市場があるのです。こりゃ中古品を扱っている業者にとってみれば死活問題。

 特にオーディオや楽器関連は中古品の需要が多い。古いアンプやエフェクター、ギター、ベース、キーボードなど、もう作られていない「幻の名器」を手に入れるには中古品を買うしかない。その中古市場が「売っちゃダメよ」と言われちゃったワケだね。どうやら「買い取り」は合法だけど「販売」はダメらしい。あと、業者はダメだけど個人間の売買ならオッケーなんだって。どうやらこの法律が作られた背景には「安全基準を満たさない粗悪な商品」を中古品として販売する連中の存在があったらしい。

 う~ん。困ったもんだね。坂本龍一や高中正義らが音頭を取って「署名活動」まで始まっているみたいなんだけど、でもさあ、不思議なのは7年も前にできた法律なのにナゼこの本格施行ギリギリの時期になってこんな騒ぎになったんだろう‥‥? その辺りの事がこのページに書いてあるので、興味を持った人は読んでみてね。いやしかし、物事は「いろんな角度から眺めなきゃいけない」という事を実感しますなぁ。

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