せつない美しさ

 今日は土曜。というわけで実家へ向けてクルマを走らせた。2週間前の土曜、いつもの川沿いの道を走っていた時、チラッと水面に浮かぶ鴨たちの姿を見た。そこで先週は“鴨ウォッチング”をするつもりで少し早めに家を出てキョロキョロしてみたのだが、一羽も確認できず。今日も探してみたのだが見つけることができなかった。あの鴨は幻だったのか‥‥。来週こそはかわいい鴨たちを観察できると良いのだが。

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 ところで、この川には今でこそキレイな水が流れているが、10年ほど前までは白く濁った川だった。この変化は一見喜ばしいことのようだが、実は手放しで喜べない事情がある。この川の少し上流には僕の生まれ育った町があり、その辺りは「東濃地方」と呼ばれている。東濃地方は昔から「製陶」を地場産業としていて、何百年も前から盛んに陶磁器が作られてきた。陶磁器といえば「瀬戸」が有名だが、東濃は瀬戸の北隣に位置していて、瀬戸の焼き物とは一味違った独自の作風をいくつもクリエイトしてきた。最も有名なのは「織部(おりべ)」という独特の緑色を持ち味とした焼き物だろう。織部の歴史は戦国時代とか江戸初期とか、その辺まで遡らなければならない。(だったような気がする)

 そして、実は川の濁り具合で、地元の産業が盛んなのか衰退しているのかが一発でわかってしまう。キレイな川は見る者を清々しい気分にさせてくれるが、地元の人間にとってはとても「せつない美しさ」でもある。

ただいま回転中のCD
いかしたファンキー・ラジオ / Larry Graham and Graham Central Station
元祖チョッパー・ベース! ラリー・グラハムが「スライ&ザ・ファミリーストーン」脱退後に結成したバンド「グラハム・セントラル・ステーション」の1978年の作品。とにかく1曲目の「Pow」を聴けっ! 僕もご他聞に漏れずこのベース・プレイをコピーしようと思ったが、思っただけで断念した‥‥。弾けるようになる前に親指が吹っ飛んじゃうよ。ラリーはこのバンドを解散させた後、ソロ・アルバムを何枚も出し、ベースに負けないくらいの低音ボーカルでエグいバラードを連発したりしたが、やはり彼のピークは「グラハム・セントラル・ステーション」の頃だろう。ラッキーなことに10年ほど前の「バンド再結成」来日ステージを観ることができた。やっぱりカッチョえぇわ~♪ 真っ白なMOON製のカスタム・メイドのベースからは、なんとマイクが生えていて、バキバキ弾きながら歌う歌う! ソロを弾きながら客席を練り歩いて来た時に彼とハイ・タッチしちゃった♪

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