スケールの小さなスケールのおはなし

 前々から「キッチン・スケール」が欲しいと思っていた。でも頻繁に使う物でもないし、ちょっと贅沢だな。僕の場合、重さを量りたいと思うのは「お好み焼き」を作る時くらいだもん。粉と水の分量を指示どおりに作りたいと思いつつ、今までは目分量でやってきた。だから毎回混ぜ合わせた後で水を足したり粉を足したりしながら調整していたのだが、僕は面倒くさがりなのだ。こんなチマチマした作業は性分にあわない。
 このblogの愛読者の方ならご存知だろうが、僕はちょっと前に特価880円にて夢のたこ焼器である「たこ焼きの夢」(これ正式な商品名です)を手に入れた。僕の料理のレパートリーに「たこ焼き」が加わった事で「キッチン・スケール」の必要性は一気に2倍に増加したのだ。もう躊躇(ちゅうちょ)している場合ではない「遂にこの時が来たようだな」満を持して僕は決意した。

 「よーっし! 100円均一のお店にあったら買おう」

 はははは、何てこたぁーない。とことんセコい男なのだ。“おかしかったら腹からわら~え~♪”まぁ100円で売ってるはずない。と思いつつダメモトで1件目のショップへ‥‥。「え? うそ~ あるじゃん」あっけなく見つけてしまった。しかも結構オシャレ♪ スケルトンと呼べばいいのか、トランス・ルーセントと呼べばいいのか、透明な「バボちゃん」(フジテレビのバレーボールのキャラクターの事ね)みたいな形のスケールが、至極当然な顔つきで棚の目立たない場所に佇(たたず)んでいた。そのうえブルー、グリーン、レッドと3色もある。「迷っちゃうなぁ‥‥」1個ずつ箱から取り出して迷い始めるヒゲヅラの四十男。(注:ヒゲヅラとはヒゲを生やしたうえに、ヅラまでかぶっている。という意味ではない)10分ほど悩んだあげくブルーに決定。

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 家路につく僕はあきらかに“勝ち誇った顔つき”だった。「お~ぉ“凱旋門”が見えてきたぞー」

ただいま回転中のCD
椎名純平 / 椎名純平
僕はこの人の“声”が大好きだ。でも人に聴かせると「変な声」とか「この声きらい」と忌憚(きたん)のないご意見をいただく事が多い。好き嫌いがマップタツに別れる声のようだ。倍音構成が個性的なのだろう。低いような高いような、日本のボーカリストには珍しい声だ。「きらい」と言っていた人も、もしも彼が英語で歌っていたなら拒絶反応を示さなかったに違いない。そうそう、彼はキーボードも弾いている。フェンダー・ローズという電気ピアノを弾きながら歌う姿を想像すると、どことなくダニー・ハザウェイともカブったりする。(ダニーはローズではなくウーリッツァーという電気ピアノだけど)ジャンル的には「ジャパニーズ・R&B」になるのだろうが、CDショップによっては「ヒップ・ホップ」系の棚に入れられていたりする。都会の夜を想起させる「日本語アーバン・ソウル」って感じなのだが、まっジャンル分けはどうでもいい。その椎名純平の2001年制作のデビュー・アルバムがこれ。ちなみに彼の妹は林檎という名前である。

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