I LOVE ジュンゾー♪

 木目も鮮やかなこのエレクトリック・ベース。ベース好きにはちょいと名の知れた大阪のベース専門店「サウンドトレード」が作った物で、新品は20数万円するらしい。らしい‥‥と言ったのは、実はこれ数年前にネット・オークションで安く手に入れたベースなのだ。

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 現在「JUNZO」というブランドのベースが一部のマニアの間で人気なのだが、このベースはその「JUNZO」を作っている倉本順三さんという人がその昔「サウンドトレード」に依頼して作ったものらしい。だから「サウンドトレード製」なのにヘッドに「JUNZO」というロゴが入っている。そう、超レア物なのだ。だから僕は秘かに「出すところに出せば“ン十万円”の値がつくのではないか」と思い込んでいる。売る気はないけどね。だってこれかなりゴキゲンなベースなのよ。

 僕は今までに3本のベースを所有してきた。だがベースを買ったことは1度もない。友人のロマちゃんが楽器関係の会社に勤めていたのをいい事に「こんなメーカー聞いた事ないなぁ」というようなベースをタダで提供してもらっていたのだ。それらのベースは僕が20代の頃には曲作りやデモ・テープの録音に使ったりしていたのだが、どれもシックリ来なかった。そりゃそーだ、タダなんだから。だから僕は「いつか“一生もの”のベースを手に入れたい」と思い続けていた。そこで出会ったのが「ジュンゾーくん」だった。

 最近のベースは「アクティブ」と「パッシブ」という2つのタイプに分けることができる。「アクティブ」というのはボディーにアンプを内蔵していて、幅広いサウンド・メイキングとブライトでクリアーな音色が持ち味だ。1980年代の中頃からギラギラギトギトしたニューヨーク風(ハッキリ言えば“マーカス・ミラー風”)のベース・サウンドが音楽シーンを席巻したが、これはアクティブ・タイプのベースが得意とする音だ。かわって「パッシブ」はとても原始的な構造だ。「弦と磁石」でできている楽器と言っても過言ではない。(いや、過言だ)(どっちやねん)「アクティブ」と比べるとブライトでもクリアーでもないが骨太でガッツのある音が持ち味だ。僕の「ジュンゾー」はパッシブ・タイプだ。確かにギラギラギトギトの音はカッコいいし大好きだが、僕はいっさい小細工なしのパッシブの音に心魅かれる。この辺は「CDとレコードどっちの音が好き?」というのに似ているかもしれない。

 「弘法筆を選ばず」という言葉があるが、僕の場合は筆だけ素晴らしくて技が伴っていない。さぁ練習練習また練習っ! まずは“ドレミファソラシド”のポジションを思い出すところから始めよう。

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