フレディー・ビデオ・マラソン

 このところ録ったままで観ていないビデオがたまってきた。よし、今度の3連休中にビデオを観まくる日を1日作ろう。前からそう決めていたのだが、ついに連休最終日の今日「フレディー・ビデオ・マラソン」を実施した。今回観たのはテレビから録画した映画3本と自主制作ビデオ2本。

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 まず最初は「バスキア」。 1980年代初頭のN.Y.に彗星のごとく現れ、そして死んでいったポップ・アートの作家「ジャン・ミシェル・バスキア」の伝記的作品だ。夢を追い、夢に追われ、そして夢に潰されてしまう彼の苦悩が描かれている。デビッド・ボウイがアンディー・ウォーホール役で出ていたり、デニス・ホッパーがウォーホールのビジネス・パートナー役で出ていたりと、話題性充分の作品だ。感傷的になり過ぎずドラマティックになり過ぎない作風には好感が持てたがガツンと来るものはなかった。

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 次は「サイダーハウス・ルール」。これはジョン・アーヴィング原作の映画ということ以外“予備知識ゼロ”で観たのだが、やはりジョン・アーヴィングらしいお話だった。彼の作品は「とてもヘヴィーで物凄い事」が起きているのに、あたかもそれが当たり前の事であるかのように淡々と展開していく。彼の作品では他に「ガープの世界」や「ホテル・ニューハンプシャー」(特にこれは好き)を観た時にかなりショックを受けたのだが、どちらかと言うと今回の「サイダーハウス・ルール」はニヤリとする部分がなく、薄味な印象を持った。

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 さて次は黒澤明の「どん底」。原作はゴーリキーの戯曲。舞台を江戸時代のスラムのような長屋に置き換えて描いている。登場人物のほとんどが腹式呼吸全開で叫んでいる。黒澤ならではのスピード感と密度の濃さ。山田五十鈴の悪女ぶりが色っぽいこと色っぽいこと。これといった主役がいないためキャッチーな魅力には欠けるが、圧倒的なパワーに溢れる作品だった。

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 テレビから録画した映画はここまで。実はビデオ・テープのラックをゴソゴソやってたら昔僕が制作に関与した自主制作のビデオ作品が出てきたので、つい観てしまった。まずは僕の友人の友人である田畑くんが監督した「ウェルカムホーム」。僕は撮影の一部と編集を担当し、先日このblogに登場した「小向くん」が音楽を担当している。内容はおもしろいとは言い難いのだが、小津安二郎への憧れは充分伝わってくる作品だ。

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 自主制作ビデオをもう1本。これはちょうど10年前に僕が作った「二十歳、快晴、失業中。」というモノクロ作品だ。実はこれオープニング部分の数秒を残して未完成のままになっていた作品だ。友人を主演に制作したドキュメンタリー・タッチの作品なのだが、今回観た作品の中では一番おもしろかった。自分の作品だからというヒイキ目は多分にあるのだが(笑)

 これだけ立て続けに観ると、さすがに疲れるかと思いきや、意外にも「あと2・3杯おかわりできそう」な勢いだった。まだ観てないビデオが10本ほどあるのでまたいつか「フレディー・ビデオ・マラソン」を開催しなきゃな。

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