続・回りっぱ!

 長らく続いていたリー・リトナーの無限軌道からの離脱に成功! 辿り着いた先は自分でも意外な場所だった。そこは『レイ・チャールズ大陸』。先日亡くなったソウル/R&B界の巨星レイの1984年のアルバム “Do I Ever Cross Your Mind”なにげなくターン・テーブルに乗せてみたら「見事にハマった」全編を通してカントリー・タッチなサウンド。というよりモロにカントリーな曲が多い。

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 僕はもともとカントリーが好きだ。仕事中にはMacのiTunesにプリセットされているネット・ラジオを聴く事も多いのだが、そんな時は決まって「70〜80年代ポップス」か「カントリー」のステーションを選ぶ事にしている。だけどブルー・グラスは苦手。フィドルが「ニィータカ♪ ニィータカ♪」と鳴るせせこましいカントリーはどうも性に合わない。乾いていて哀愁が漂う曲が好きだ。「オレもこの歳だから、そりゃ過去にはいろんな事があったさ」と言ったまま黙りこくり、安物のバーボンを口に運ぶ。な〜んてシーンが目の前に広がりそうな、そんなアメリカのロード・ムービーの中に流れてきそうな曲を聴いていると、自分も「あてのない旅の途中」にいるような気分になってきて、想像力がかき立てられてしまう。

 そしてレイと交互に聴いているCDが1枚。ここ何年も音信不通になっている友人「小向 定」の1998年制作のミニ・アルバム“sadam”。たしか彼は1970年生まれだったはずだから、このアルバムは28歳の「音楽バカ」の才能のごくごく一部がさりげなく凝縮されている作品ということになる。
 僕が言うのもなんだが、彼の才能は物凄い! ブラック・ミュージックを愛し、日本の童謡を愛し、鍵盤楽器から弦楽器、打楽器、管楽器まで、あらゆる楽器をこなし、深く、太く、それでいて繊細でまっすぐな声で歌う人だ。ハチャメチャな所もあるし、ものすごく寂しがり屋だし、声はでかいし、よく行方不明にはなるし、「これでいいのか‥‥?」と迷ってばかりだし、嵐のように現れて嵐のように去って行く人でもあったが、僕は心から「君には音楽の世界で大成して欲しい」と願っていたのだよ。同時に君の音楽に対する姿勢があまりにもまっすぐなため「音楽業界にはそぐわないかもしれない」とも感じていたのだけど‥‥。

風のウワサによると、彼は今「大工」をやっているという。
そして「今でも歌っている」と‥‥
それを聞いて安心したよ。
今、君がどんな曲を作り、どんな声で歌っているのか
確かめてみたくなったよ。

追記
「小向 定」の半公式ホームページというのを見つけたので、興味をお持ちの方はこちら(http://www.pc-lifeboat.com/waon/sadam/)を見てみてください。アルバム“sadam”の試聴もできます。(うちではRのデータは再生できなかったけど、Wは聴けました)「リンク」のページはデッド・リンクだらけだけど「愛岐サッシ工業」のサイトは見といたほうがいいかも‥‥。

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