パソコンのお勉強

 今日は買わなきゃならないものが多かったので、隣り街のいつものスーパーではなく近くのスーパーに買物に行った。このスーパーの二階には金券ショップや 100円ショップ、メガネ屋などと並んで『パソコン市民講座』という一角がある。そこを通るたびに必ず一人か二人がパソコンに向かって何やらやっている様子を目にする。看板には「初心者のための特別教室」と書かれているのだが、指導員のような人がパソコンの操作を教えているような様子はない。パソコンに向かっている人達の年齢もまちまちで、まさに老若男女といった感じだ。特定のソフトの使い方を習得しようとしているのか、インターネットを楽しんでいるだけなのか、通りすがりにチラッと見るだけの僕にはわからない。

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 僕も12年ほど前にパソコン教室に週一回通っていた事がある。D.T.P.(デスク・トップ・パブリッシング)に携わる、いわばプロ向けの教室で半年で 40万円という目玉が飛びだしそうな授業料を払って勉強していた。その教室には目的意識のハッキリした人だけが集まっていたし「授業料の元を取らねば」という意識も強かったので、授業の開始時間より早く教室に入り、授業が終わっても可能なかぎり残って勉強し続けるという熱心な生徒ばかりだった。生徒とは言ってもさすがにこの授業料の高さゆえ、平均年齢もそれに比例して高かったのだが…。当時の僕は自分のパソコンを持っていないばかりか、ワープロすら使った事がなく、プロ向けの教室でありながら講師に「文章の改行をするにはどうすればいいんですか?」などと恥ずかしい質問を繰り返しながらの猛勉強だった。当時、僕が勤めていた会社にはMacが導入されたばかりで、教室で習ったことを即実践に活かす事ができない状態だった。だがそのおかげで、片っ端から参考書に目を通しイメージトレーニングを繰り返すことで随分と足腰が鍛えられた気がする。
 あの頃に比べると、パソコンを取り巻く環境はものすごい変化を遂げたはずなのだが、実は根っこの部分ではそれほど変わっていないのではないかと、この『パソコン市民講座』の前を通るたびに感じる。

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